ケータイ刑事銭形雷12話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]
「銭形雷」の第11話「雷が凶器? ~森田正光殺人事件/エロイムエッサイム!我は求め訴えたり~森田正光殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の6回目となる今回からはB面の物語に登場した事柄について記していきます。で、この人が登場したと言うことで「山田広野」について、「活弁」について、この物語では岡野さんと雷ちゃんはこの肩書きということにしていたので、「MC」について、「DJ」について記します。尚、「活弁」については「雷・12話[裏ネタ編]」で記したもの、「DJ」については「愛・19話[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして加筆しました。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/3/20付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
「山田広野」:「やまだ・ひろの」現役の活動弁士として知られているが、映画監督としても活躍している。かつてのサイレント映画と活動弁士との関係を表現手法として用いていて、自ら活弁を行った映画作品を制作している。(彼自身は、そのような作品を「ネオ活弁」と呼んでいる。)
1973年生まれで、自作自演の作品に自ら活弁を行う作風で知られている。活動を始めたのは1998年であり、活弁を取り入れた短編作品を制作する。初期作品としては「レズビアンシティ新宿」「秋刀魚の味」「僕とメアリー」「ヴァージン・ホームレス」など多数の作品がある。それらの作品は、「活弁」という旧来の映画スタイルがレトロな感覚とマッチして注目されることになった。2003年の「バカブロッサム!馬鹿風呂」や2005年の「怪奇!!幽霊スナック殴り込み!」には監督ではなくて俳優として出演し、2010年の「昆虫探偵ヨシダヨシミ」でも監督ではなく声の出演をしているが、基本的には監督として、活動弁士としての作品を制作し続けている。尚、活弁をした作品は短編作品が殆どであるため、ある程度の本数の短編をまとめたオムニバス作品として劇場公開されるというのが多い。
尚、BS-i関係の作品としては、「68FILMS」に於いて「ソワレの心臓」(「美少年Hi!」シリーズの1本)という短編作品、「恋する日曜日・2nd.26話」の「ハロー・グッバイ」、そして今回の「銭形雷」があるため、お馴染みである。(いずれもが活弁による作品である。)また、2007年に劇場公開された長編作品「バサラ人間」は活弁を行っていない普通の映画作品であるが、それでも監督を務めている。
「活弁」:「活動写真弁士」の略である。サイレント映画時代の映画は台詞などの音声が無かったが、その無声映画上映に際して、舞台袖で画面に合わせて人物の会話(台詞)を言ったり説明を行う人のことである。歴史を紐解くと、当時は海外にも同様の役割を担う人は存在していたが、日本のように弁士その人が人気を得る、と言うようなことはなかった。
しかし、音声のある映画(所謂「トーキー」)ガ登場し、映画の中心がサイレント映画にからトーキーへと変わると、活弁という役割をする人は不要となり、1930年代の後半に姿を消した。(弁士たちは映画の世界を離れ、漫談の方に転身していき、漫談の世界が大いに盛り上がった。)但し、絶滅してはおらず、現役の活動弁士も僅かであるものの存在している。
映画のことを「活動写真」と言っていたサイレント映画の時代では「活弁」は当たり前であったが、トーキーとなったことで古ぼけたものというイメージが定着し、興行としてはあっという間に消えてしまった「活弁」であるが、現在ではこれが一つの表現方法として見直されるようになっている。これは、カラー映画が登場したことで白黒映画が消えていったが、映像表現の一つの方法として、わざと白黒映画(パートカラーも含む)にするという表現方法が残っているのと同様に、その音声版として残っているものである。但し、サイレント映画の時代は、音声無しのフィルム上映と同時に弁士が語っていたものが、現在ではトーキーの音声として弁士が語ったものが収録されていて、映画フィルムの上映のみで良いのが一般的である。
また、「活弁」が日常にあった時代では、テレビというメディアはまだ無い時代であって、子供たちの娯楽の一つに「紙芝居」というものがあった。(これも完全絶滅はしていないものの、絶滅寸前という状況は変わっていません。)紙芝居の語りは活弁と似たものであり、(サイレント)映画は動画に対して、紙芝居は絵(静止画)に対して弁士が語るということで、ある意味では子供たちの間では馴染みの高い娯楽であったということになる。
ちなみに、「ケータイ刑事」の劇場版第1作(「M1」)の冒頭部分に紙芝居屋さんが出ていて、銭形姉妹のことを語るというOPでスタートしているが、「ケータイ刑事」は、かつての子供たちの娯楽の王様であった「紙芝居」や「活動写真(活弁を含む)」という文化を忘れていない、と言うになり、文化を大事にしているという姿勢が伺い知ることが出来る。
尚、「ケータイ刑事」シリーズに於いては今回の物語か初めて「活弁」を取り入れた作品となったが、BS-iのドラマでは、30分枠(実際は15分×2という構成ですが...)での作品としては、「恋する日曜日」の2nd.26話「ハロー・グッバイ」で先に行っている。また、「×2」ということはないものの、BS-iとBS-FUJIの合同企画シリーズである「68FILMS」の「美少年Hi!」シリーズに於いて、「ソワレの心臓」という作品(山田広野監督、主演はソワレ)で、やはり活弁を行っている。→この点では、過去に行っている表現手法を「ケータイ刑事」にも取り入れたということになり、正確に言うと「BS初」という試みではない。
「MC」:司会者(「Master of Ceremonies」または「Master of Ceremony」)のことである。テレビ番組、催し物、宴会などの進行役を務める人のことである。
特に、音楽関係のイベントやテレビ番組では、現在では「司会」と言う言い方に取って代わるようになって使われている。(これも、「何でも横文字にしてしまえば...」という風潮の流行りが定着したもの一つである。)
更に、現在では、コンサートなどに於いて、ミュージシャンが曲と曲の間に語るおしゃべりのことも「MC」と言うようになっている。また、音楽関係ではヒップホップ系のミュージシャンでは、ボーカルのことを「MC」と呼んでいる。
ということで、この物語では岡野さんは(以前の言い方をすると)「司会者・トミー」ということになる。
「DJ」:ディスクジョッキー(「DISK JOCKEY」または「DISC JOCKEY」)の略称である。(音源となる音楽がLPレコードの時代には「DISK JOCKEY」のみが使われていたが、光ディスク(CD)の登場によって、音源がCDに移行したことて、「DISC JOCKEY」という単語も使われるようになった。→光ディスクは「DISC」、磁気ディスクやレコードなどの「円盤」は「DISK」が正しい単語である。そのため、アナログ・レコードを使用しているクラブのDJは「DISJ JOCKEY」が正しく、CDを利用している放送局のDJは「DISC JOCKEY」というのが正しいというのが現状である。尚、一部のミニFM局などのようにCDを用いずに音楽データを利用しているのは、HDDという磁気ディスクに蓄えられていたら「DISK JOCKEY」が正しく、光ディスク媒体であれば「DISC JOCKEY」ということになるが、シリコン・メモリに蓄えられていたら、「DISC/DISK」でも無くなってしまう...)
ラジオの音楽番組の司会者のことを言うが、ディスコ、クラブなどでレコードなどの音楽媒体を使って音楽を掛ける人のことも指している。ちなみに、「ジョッキー」とは競馬の騎手のことであり、ディスクジョッキーがレコードを取り替えながら音楽を掛けていく様が、競馬に於ける騎手が馬を次々と乗り換えてレースに出場するのに似ているということから、それになぞって「ディスクジョッキー」と呼ばれるようになった。
尚、ラジオ放送局によっては「パーソナリティ」「ナビゲーター」「ミュージック・ナビゲーター」「サウンドクルー」と呼ぶ場合がある。(「お相手」という言い方も昔からありますが...)→シリコン・メモリに蓄えられた音楽データを用いている放送局では「ディスクジョッキー」と言うよりもこちらのいずれかの呼び方をするべきですね...
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