「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その178) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「自宅にいた不審な人物」です。(「自宅」というのは主人公の自宅ということです。但し、「ケータイ刑事」も「007」主人公の自宅が登場するということは殆どないということで、今回はそういうレアケースというシチュエーションでも共通点があるということです。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「零・2nd.8話」、「007」からは「ドクター・ノオ」です。
「ケータイ刑事」:「零・2nd.8話」。「基本的にアレな訳なんだけど ~銭形零の悪夢」と言う物語である。後に、雷と海にも登場することになった「悪夢シリーズ」がシリーズに初めて登場した物語である。この物語は零ちゃんの夢の中の物語ということで、現実の物語では無い所がミソである。また、小ネタをたっぷりと挟んだ前衛的な物語であって、「ケータイ刑事」シリーズの中でも異色作品である。
最初に、この物語が零ちゃんの夢という説明があって、寝ている零ちゃんの夢の世界へ入って行く。自宅、自室の鏡の前で零ちゃんが決め台詞である「増せり、悪の数字」という台詞を言う練習をしている。それに対して夢を見ている零ちゃんが色々と天の声という形で突っ込んでいた。そんな所に事件を知らせる入電が届いた。早速携帯を開く零ちゃん。が、それは「かなり痛い男が現れる気配」というものであった。が「直ちに捜査を開始せよ」という司令があったのはいつもの通りであった。これに「レレレ」と漏らした零ちゃん。で、振り返った零ちゃんの視界には見知らぬ人物がいた。
その人物は、零ちゃんと同じ制服を着ていたニセ零ちゃんだった。が、ニセ零ちゃんは本物の零ちゃんを見ると「私?」と言って驚き、(本物の零ちゃんの)側に寄ってくる。身長差もあり、体格も全く違い、顔の大きさも全く違うのに、ニセ零ちゃんは本物の零ちゃんを自分を見ているかのように驚いていた。が、零ちゃんは「違います」と簡単に否定する。しかし「そっくり」「瓜二つ」「同じ」と言うニセ零ちゃん。すると、「私、そんな汚い顔してません」とボロクソに返した本物の零ちゃんだった。
ニセ零ちゃんは「銭形零は1人いれば十分よ」と言うが「私一人です」と零ちゃんは言う。ニセ零ちゃんはそんなことは全く気にせず「増せり、悪の数字」から「謎は解けたよ、ワトソンくん」と、完全に自分のペースで好き放題に零ちゃんの決め台詞を口にする。零ちゃんは「何を手掛かりに解いたんですか?」と問うが、ニセ零ちゃんは「謎は解けたわ、ワトソンくん」「謎は解けたの、ワトソンくん」「謎を解いてくれよ、ワトソンくん」「(強面で)謎は解けたよ、ワトソンくん」…、というように決め台詞を微妙にアレンジを変えて次々と口にする。その都度零ちゃんが突っ込みを入れていたが、ニセ零ちゃんはそんなことはお構いなしだった。
で、零ちゃんはもう呆れ顔になってしまう。するとそれに半分切れたニセ零ちゃんは「わらわの暗算解いてみよ」と、もう一つの決め台詞を言うが、(零ちゃんがいつも言う)問題がなかなか出てこない。で、しばしの静寂が...
零ちゃんは「問題を出して下さいよ」と催促するように言うと、「忘れてた」と返したニセ零ちゃん。で、「いくわよ」と言うまでは良かったが、「わらわの暗算って何だよ」と切れてしまう。すると「つきあいきれない」と零ちゃんは呆れてしまい、ニセ零ちゃんから離れていってしまった。
慌てたニセ零ちゃんはそれを追いかけると、「出すわよ」と言って問題を語り始める。「3+5+8+@#%…&#+2+5」と言うが、零ちゃんは「分かる訳ないじゃないですか。暗算っぽかったのは最初と最後だけです」と簡単に切り捨てた。すると「負けた。あなた犯人じゃないわね」と白旗を挙げたニセ零ちゃん。が、タダでは転ばずに「誰なの犯人は?」から「投げたい」と言ってベッドの上で「0の形したワッパのような赤いやつ投げたい」と駄々をこね始めたのだった。
零ちゃんはそんな悪夢を見たこともあって「あんな大きい銭形零なんて嫌だ...」と寝言を言っていた。
自室に自分とソックリと言う、見るからに別人の変な人物がいたということで、不審人物としか言いようがないのだが、夢の中だったので、大事には至っていないはいうまでもない。が、こんな夢を見たら、それだけで後味が悪いのは当然ですね。
「007」:「ドクター・ノオ」。1962年の記念すべきシリーズ第1作である。ただ、本作は低予算作品ということで製作された作品であって、それが予想をはるかに上回る大ヒットを記録したことで、次作からは製作費が一気に増えて大作シリーズへの道を歩んでいくことになった。(低予算と言っても、B級作品のような低予算ではないですが...)いずれにしても、全てはここから始まったという記念すべき作品である。
ロンドンのアンバサダー・クラブでボンドはカードをプレイしている。(James Bondが初めて登場するシーンとしてもヨー有名な所です。)親を務めているボンドは、プレイヤーの1人である女性(シルビア・トレンチ)の大勝負に勝ったところで、呼び出しを受ける。で、「急用が出来た」と言って席を立ったボンド。シルビアも席を立ってボンドの側に寄ってきた。するとボンドは、「明日、ゴルフでも」と誘い、続けて「その後で食事でもどうか」と誘った。これにシルビアは「返事は明日の朝でもいいかしら?」と言うと、ボンドは電話番号を渡した紙を渡した。
そうしていると、カードで勝った札の精算が済んで、現金(札束)を受け取ったボンドはクラブを後にした。(呼び出しを受けたので、深夜であったが、MI-6の本部に向かった。
本部では、マネーペニーとちょっとしたやりとりをしてから、(その時の時刻は午前3時とMは話していた。)Mの元へ行く。で、Mから、ジャマイカで起こった一連の状況の説明を受け、ジャマイカ支局のストラングウェーが消えたことに関する調査をするようにと任務を命じられた。また、現地・ジャマイカへは朝の飛行機で飛ぶことになった。(書類は空港で渡すということだった。)
任務を受けたボンドは、荷物を取りに行くために自宅に帰った。電気を点け、郵便物をチェックするボンドは、直ぐに人の気配を感じた。で、電気を消し、靴を脱ぎ、銃を手にすると、人の気配がする部屋に踏み込んだ。するとそこにはネグリジェ姿をしたシルビアがいて、ゴルフのパターの練習をしていた。
シルビアは「ゴルフの招待を受けることにした」と言うが、ボンドは「急な旅に出ることになった」と伝える。「いつ?」と問われると「直ぐ」と答えたボンドだったが、「少し遅らせることにする」と言って、シルビアを抱いて、つかの間のひとときを過ごし、朝の飛行機でジャマイカに飛んだのだった。
自室に誰かいると感じる所、そして足音を立てないように靴を脱いで対処するという所はやはり一流のスパイというボンドですね。が、相手が分かると直ぐにラブシーンへというのもプレイボーイのボンドらしいところでもありました。
尚、本作ではシルビアの登場はここまでであるが、彼女は次作「ロシアより愛をこめて」でもボンドの遊び相手として再登場する。が、ボンドが呼び出されてそれっきりと言うことになるのですけど...
類似点は、部屋にいたのは(一応)女であって、初対面ではなかった(=顔見知りであった)と言うことである。また、それぞれが主人公(銭形/ボンド)と絡んでいる(「ケータイ刑事」ではボケとツッコミの関係で、「007」では男女の関係で。)ということである。
相違点は、「ケータイ刑事」はあくまでも夢の中の出来事であって、零ちゃんの夢での出来事であるが、「007」はボンドの現実の世界での出来事であるということである。また、そのため「ケータイ刑事」では主人公のニセモノというキャラクター(しかも演じていたのは男(佐藤二朗さん)であって、女装しての演技でした。)であったが、「007」では普通の人物であった。(女性が女性を演じていた。)
次回は久しぶりに「ある物」ということで記す予定です。何が登場するかはお楽しみに。
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