HERBERT GRONEMEYER『SPRÜNGE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1986年に発表された彼の7枚目のアルバムである。ドイツの国民的シンガーとして活躍している彼であるが、ドイツ語で歌っていることが殆どであるため、日本では余り知られていないが、欧州ではその名前を知らない人がいないという程のビッグ・スターである。また、彼の凄い所は、本国ドイツでは、発表したアルバムが初期作品を除いて全て1位に輝いていると言うことである。(本アルバムの前作で初のドイツ(当時は西ドイツでしたが...)で1位を獲得したが、そのアルバムはマイケル・ジャクソンのあのモンスター・アルバム「THRILLER」を抑えて年間1位にもなったアルバムである。)本アルバムは、前作での1位獲得が余りにも快挙となった大きな1位であったため、彼のシンガーとしての真価が(他の1位アルバムを発表したシンガーよりもより強く)問われることになったアルバムとなったが、そういう期待に見事に応えた内容のあるアルバムとなり、ドイツのトップ・シンガーとしての地位を固めることになったアルバムである。
収録曲は以下の全10曲である。『Kinder An Die Macht』『Tanzen』『Mehr Geht Leider Nicht』『Maß Aller Dinge』『Nur Noch So』『Unterwegs』『Lächeln』『Viel Zu Viel』『Einmal』『Angst』。
お薦め曲としては、『Kinder An Die Macht』『Nur Noch So』『Viel Zu Viel』『Einmal』と言うところをピックアップしておくが、捨て曲が無く、秀作が詰まったアルバムとなっている。
ただ、本アルバムには当時の西ドイツの政権批判を展開した曲が含まれているため、一部の間(特に、政治色を嫌う音楽ファンの間)では本アルバムを無視しようという声もあったほどであり、それだけ国民的シンガーとして多大な影響を与える存在になっていたということでもある。→それから四半世紀近くが流れ、東西ドイツの統一をはじめとして、大きく世の中が変化したこともあるので、現在では'80's中盤の時代を知る資料の一つという位置づけに変わっている。
ドイツの音楽というと、ハードロックとディスコサウンド('90'sになるとユーロビート)という所が日本ではよく知られているが、普通のポップ/ロックの世界でもしっかりとした本格的なものが根付いているのは言うまでもない。そういうドイツの音楽事情を知ろうというには、彼を聴くというのは手っ取り早い所である。'80'sサウンドがお好きな方、男性ボーカルがお好きな方であれば、特に違和感なく受け入れられるサウンドであるだけに、耳を傾けてみるというのも宜しいかと...
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