JACKSONS『THE JACKSONS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1976年に発表された「JACKSONS」名義では初のアルバムである。(「JACKSON 5」名義では10枚のスタジオ・アルバムを発表している。)本アルバムからレコード会社を移籍したことからの政治的な問題でグループ名を変更することになったが、同時にジャーメインが抜けてランディが加入している。(これも政治的な問題が絡んでいる。)アメリカでは最高位36位、イギリスでは最高位54位ということで、'70's初頭の勢いまでは取り戻せず、ヒットの規模としてはそれほど大きくなかったものの、ここから彼ら独自の音楽性の世界に突き進んでいくことになり、時代を変えていくことになるのである。
収録曲は以下の全10曲である。『Enjoy Yourself』『Think Happy』『Good Times』『Keep On Dancing』『Blues Away』『Show You The Way To Go』『Living Together』『Strength Of One Man』『Dreamer』『Style Of Life』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。最初のシングル『Enjoy Yourself』はBillboardで最高位6位を記録し、1977年の年間シングル・チャートでは40位にランクインしている。また、イギリスでは最高位42位であった。続く『Show You The Way To Go』はイギリスで1位を獲得する大ヒットとなるか、アメリカでは最高位28位であった。また、『Dreamer』はアメリカではチャートインせず、イギリスで最高位22位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Enjoy Yourself』と『Show You The Way To Go』、それ以外では、マイケルのリードボーカル曲の『Keep On Dancing』、マイケルとジャッキーのリードボーカルである『Style Of Life』、マイケル、ジャッキー、マローンのボーカルである『Strength Of One Man』をピックアップしておく。(ちなみに、全10曲でマイケルは全てボーカルを担当している。)
本アルバム発表時、マイケルは18歳であって、若さが出ている。また、兄弟たちのやりたい音楽を全員が楽しんでいるということが伝わってくる。ということで、楽しんで聴くことの出来るアルバムである。
'70's中盤ではセールスが低調になり、政治的な問題によって活き活きした所を失っていた彼らが新たな気持ちでスタートしているということで、内容的には良いアルバムになっている。セールスの点では今一つ伸び悩んだものの、'70's中盤のソウル・ミュージック全盛期に相応しいソウルフルであり、ファンキーな要素のあるアルバムとして、時代にマッチした内容というのもよい所である。
彼らのキャリアに於いても節目のアルバムであるが、'70'sのブラック・ミュージックに於いても時代を変えることになる彼らのアルバムでもあるだけに、しっかりと聴いておきたい所である。尚、マイケル・ファンの方にとっては、'80'sのマイケルとは違った若さ全開というのもまたお楽しみということも出来るでしょうし...
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