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「THE SICILIAN」 [映画(洋画)]

表題の作品は1987年のアメリカ映画「シシリアン」である。尚、邦題では同名タイトルの作品があるが、そちらは1969年の米仏合作作品である。しかし、その作品の原題は英語では「THE SICILLIAN CLAN」、フランス語では「LE CLAN DES SICILIENS」であって、全く関係ない別作品である。(原作者も違います。)本作は、第二次大戦以後に実在したマフィアの実力者の姿を描いた作品である。また、全編をシシリー島でロケを行うということで撮影されているため、シシリー島の美しい景色を堪能することも出来る作品である。

作品データを記しておくと、時間は115分、原作はマリオ・プーゾ、監督はマイケル・チミノ、脚本はスティーヴ・シェイガン、撮影はアレックス・トムソン、音楽はデヴィッド・マンスフィールドである。そして出演は、クリストファー・ランバート、テレンス・スタンプ、ジョス・アックランド、ジョン・タートゥーロ、リチャード・バウアー、バーバラ・スコヴァ、ジュリア・ボッシ、マイケル・ウィンコット、たちである。

場所はシチリア、時は1940年代。貧しい農民たちに土地を与えたいという理想を持つ若者・サルヴァトーレ・ジュリアーノは親友のアスパヌ・ピショッタと共に、金持ちだけを狙った盗みを繰り返し、得た金を貧しい人たちに分け与えるという義賊と言う行動を行っていた。そんなジュリアーノに目を付けたマフィアのボスであり、シチリアの影の大統領とも呼ばれているドン・マジーノは、ジュリアーノに自分の元で働かないか、という誘いを掛ける。が、これを断ったジュリアーノ。そしてジュリアーノは貧しい農民のための行動を続け、恋人のジョヴァンナや兄・フェッラたちと一緒に民の意識を改革しようとする。フェッラは共産主義者で、農民たちのリーダーでもあった。そして、留置所に捕らわれている山賊を解放し、仲間を増やしていき、遂にジュリアーノを頭とする群盗団が結成される。これまでのジュリアーノの行動や、農民たちに支持されているフェッラがいることで、群盗団は農民たちの間で歓迎されて支持されることになる。ドン・マジーノはジュリアーノの行動を黙ってみていたが、法務大臣は共産党の支持が広がることを恐れていた。

そんな中、アスパヌが愛人のカミッラ公爵夫人の使用人からの情報によって公爵家の宝石を奪ったことでドン・マジーノの配下が動き始める。ドン・マジーノは、ジュリアーノが結婚してアメリカに移住しようとしていることをしると、渡米するための特赦を与える代わりに、次の選挙で共産党に投票しないように農民たちょ威嚇しろ、ということを申し出た。しかも、この背後には法務大臣や枢機卿までもが絡んでいた。選挙が近づいて行く中、メーデーで共産党の集会が狙い撃ちにされる。これに参加していた多くの農民たち、そしてその指導者であるフェッラは殺されてしまい、ジュリアーノが悪者にされてしまう。これにジュリアーノは、ドン・マジーノが裏切ったと知り、フェッラの復讐を果たすことを誓い、復讐を開始する。が、アスパヌは既にドン・マジーノの側に寝返っていて、ジュリアーノに銃口を向けたのだった...

主人公の理想に燃える姿、マフィアのボスの世渡りの巧さ、台頭する勢力を恐れる権力を握っている人の保身術など、ストーリーとしては雄大なスケールとなって見せてくれるのだが、チミノ監督がそれらを整理することが出来ず、演出的な冴えもないのが残念な所である。出演者たちも頑張っているだけに実に残念である。

ということで、チミノ監督作品としては成功を収めた「ディア・ハンター」、歴史に残る失敗作「天国の門」、復活した「イヤー・オプ・ザ・ドラゴン」、そして転けた本作というように、成功作と失敗作が交互に繰り返される時期の作品で、失敗作と言うことの出来る作品である。→監督だけをすげ替えたら、と思ってしまう作品である。ということで、シシリー島の美しい風景を見ると言うことを第1にして見る、ということでも宜しいかと...

 

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