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「地帯(ライン)」(その2) [映画(邦画)]

今回は、1958年9月に公開された記念すべきシリーズ第1作について記します。尚、本作は菅原文太のデビュー作でもある。

シリーズ第1作白線秘密地帯
作品データを記しておくと、1958年の新東宝の作品であって、時間は71分、白黒作品である。監督は石井輝男、脚本は内田弘三、撮影は吉田重業、美術は宮沢計次、音楽は渡辺宙明である。そして出演は、宇津井健、近衛敏明、天知茂、若月輝夫、大江満彦、荒川さつき、三原葉子、葉山由紀子、吉田昌代、瀬戸麗子、筑紫あけみ、中村彰、鳥羽陽之助、倉橋宏明、真木裕、中島一豊、守山竜次、九重京司、国創典、大友純、佐伯一彦、菅原文太、菊川大二郎、小林猛、宮田文子、三宅実、浅見比呂志、万代裕子、沢恵子、岡竜弘、信夫英一、たちである。

売春防止法が施行されたことで、世の中が大きく変わり、その浪波歓楽街にも及んでいた。ある日、花菱ソープランドで、ミス・ソープのみどりが客に殺されるという事件が起きた。田代刑事たちは直ぐに捜査を始め、現場からある数字が示されている奇妙な切符が発見された。また、多摩川では身元不明の中年男の死体が上がった。男の所持品から捜査を進めると、男は松崎という男であり、みどりがころされた現場から発見された奇妙な切符を会員券としているある秘密クラブの会員であることが判明した。更に、トミという風俗嬢が姿を消していて、事件と繋がりがあることが分かる。で、トミを探した田代は、みどりが州崎の「赤玉」という所で働いていたが、その後どこかに連れ出されて行方不明となっていたことを知る。で、みどりを誘拐したのは「ころがしの政子」と呼ばれる白線の前科者であることが分かった。トミを釈放し、その後をつけていくと、トミは競輪場で政子と会おうとしてする。そして政子がスタンドに来ていることが確認されたが、その時には政子は何者かに殺されていた。田代は政子の死体の側に小さな鍵が落ちているのを見逃さなかった。直ぐにその鍵を調べると、京橋郵便局の私書函のものであり、例の秘密クラブが利用しているものと言うことが分かった。で、一連の事件は全て繋がりのある物と判断した捜査本部は、犯人が訪れると考えられる郵便局を張り込むことにした。しかし、他の私書箱を利用する人は多数やってくるが、問題の私書箱の使用者はなかなか現れない。そんな中、ようやく問題の私書箱を開けた男がいた。田代はその男を尾行していき、男を海岸に追いつめた。男の前に現れたのは「赤玉」の主人の須藤であり、須藤が黒幕だった。で、激しい戦いへとなり、死闘の末に田代は須藤を逮捕した。

物語しては特にどうのというような内容ではなく、売春組織を検挙しようという刑事たちの姿を描いた作品であるが、セミ・ドキュメンタリー・タッチで描かれているのがポイントである。(現在では、こういう描き方も珍しいとは言えませんが...)特に、本作は'50年代の日本映画の黄金期の作品である。当時の本作のようなジャンルの作品は主人公をよりヒーローらしく描き、格好良さを見せたり、爽快な気持ちにさせる作品というのが基本である。確かに、本作の主人公・田代もそれなりの活躍をしているが、特に「ヒーロー」という形では描かれていない所が興味深いところである。

尚、時間が70分を超えたところと言う中編ということもあって、2時間ドラマ(本編は90分程度である)をすこし縮めたような感じもあって、結構手軽に見ることも出来る作品でもある。但し、白黒作品であるため、「2時間ドラマ」という雰囲気は全くありませんが...

 

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