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名曲探偵アマデウス#81 ヘンデル「メサイア」 [ドラマ]

今回で年内の新作は終わりということになりました。3年目はここまでで22本目であるため、1、2年目は、4月から12月の9ヶ月でそれぞれ23本あったが、3年目は1本減りましたね。→この調子だと、本年度終了時点(2011/3末まで)ではファイルNo.088までということで、3年目の新作は29本ということになるのでしょうか???

今年最後の取り上げられた曲はヘンデルの「メサイア」であるが、この曲は「ハレルヤコーラス」で有名な曲であり、時期的にはやはり年末に取り上げるべき曲ですね。(それを思うと、あと2週ほど先にしたら、時期的にもドンピシャになったのですがね...)尚、ヘンデルの曲が取り上げられたのは初めてでした。(これはちょっと意外な所でもありました。)

尚、1年目の年内最後がベートベンの第九(ファイルNo.023)であったが、3年目もそれに合わせてか、時期を考えた曲を取り上げてくれたのは良かったですね。

た、今回の依頼人がゲームクリエイターということで、ゲームが出てくることになるが、ゲーマーとしても知られている黒川芽以さんにしたら、余りにもハマってしまうネタでもありました。で、カノンさんが昔ハマっていたゲームとして「リトルプリンスの冒険」と言うのが出てきたが、そのネタ元も語らずとも分かってしまいますね。→カノンさんの過去についても少し出てきていることになるが、ここのところ、所長の過去が色々と出てきているだけに、カノンさんの過去も出てくるのは楽しくなりますね。

依頼人がどこから現れたの?と言うような登場の仕方はいつもの通りであるが、今回は新しいゲームのプロジェクトを任されたというゲームクリエイターがやってきた。カノンさんは「ゲームの神様」として崇めている存在であったが、ゲームに関しては完全な素人である所長との反応の違いが面白い所でした。が、素人だからこそ中立的な立場で接することが出来るというものであって、いつもの所長のペースでした。

冒頭、事務所で雑誌を読んでいるカノンさん。そんな所に所長が外から戻ってきた。カノンさんはぞっしてみていたクリスマスケーキを「美味しそう」と言って雑誌を見せる。「もうそんな季節か」と言う所長に「たまにはクリスマスプレゼント、貰えないんですかねぇ」と言うカノンさん。すると所長は、「多くの日本人にとってクリスマスは、ケーキを食べたり、プレゼントを貰う日でしかないようだが、本来は、イエス・キリストの誕生を祝う日。たまにはクラシックでも聴いて敬虔な気持ちになってみてはどうかな」と、社会風刺を入れて上手いこと言ってくれました。これに「クリスマスにクラシックですか?」とカノンさん。これに所長は「クリスマスの時期に最も聴きたくなるクラシック音楽といえば...」と言うと、「それってこの曲じゃないですか」と言う声がした。で『♪ハーレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、ハレールーヤ』と歌う。カノンさんも「これ、聴いたことあります」と言うと、「バロックを代表する作曲家・ヘンデルの傑作『メサイヤ』」と所長は言った。

が、その後に声の主の方を振り向いて「ところであなたは?」と尋ねた。すると声の主は「僕、ゲームクリエーターの来栖と言いまして...」と言った。すると「来栖?」と言ってカノンさんが反応した。「来栖って、あの「リトルプリンスの冒険」を作った来栖さん?」と言って顔色が変わって嬉しそうな表情を見せた。しかし所長は「リトルプリンスの冒険?」と訳が分からなかった。で、カノンさんが超有名なゲームであることを言い、来栖は自分のことを更に語り「人呼んでゲームの神様、「ゲー神の来栖です」」と言った。カノンさんも「私も昔、超ハマってました~」と言って、来栖のポーズを真似ていた。

所長は「ご用件は?」と尋ねた。で、来栖は新しいゲームのプロジェクトを頼まれたが、なかなかいいアイデアが浮かばず、困っていた。そんな時、アイデアを考えていたらラジオから流れてきた「メサイア」を耳にした。その時、何かが降りてきて、この曲のようなゲームを作れば大ブレイクすると感じたということだった。が、中身までは思いつかず、ヒントになるのではと思って相談に来たということだった。で、所長も依頼を受けたが、カノンさんがいつも以上に趣味の世界との接点の楽しみからか、いつも以上にワクワクでノリノリで笑顔で楽しんでいたのが面白い所でもありました。

いつものように曲の簡単な説明から入り、曲に入って行くが、今回のポイントは、「オラトリオ」ということで、音で物語を表現するということですね。で、曲の方は第11曲から入り、第15曲、第16曲と続く。確かに語られている様に、音で物語を表現していると言うことが良く分かり、カノンさんが口にした様に「音楽の中に見えないドラマを感じる」と感じました。→いつもながら、カノンさんの感想って、難しい言葉を使わずに、実に分かりやすく、しかも当を得ていますね。

で、依頼人は、映像重視のゲームではなく、想像力を刺激するゲームということが浮かんだ。しかし「それってどんなゲーム?」と言っていて、まだ内容までは分からない状況だった。

で、この先をということで、第23曲へ。「綺麗な曲」と言うカノンさんだったが、所長が歌詞の日本語訳を語ると、「キリストの受難」を歌っているということで、その説明へ。(説明では、ピアノではなくてチェンバロを使っていたが、チェンバロの音というのがこの曲ではより印象強く感じられますね。)ただ、キリストの受難に関しては、大まか内容は分かっているが、細かい所までは知らないので、もう少しどういうことだったのかという説明が欲しいところでもありました。

更に、下降音型と旧譜を使った途切れ途切れという構造について、説明され、「罪深い」ということがキーワードになる。しかし、依頼人の様子が変わる。で、「自分も罪深い男」ということをカミングアウトし、自分の過去を語る。「リトルプリンスの冒険」でブレイクしたが、それ以降はヒット作が出ず、他人のゲームのアイデアをパクったりした。それでも付いてきたスタッフを会社が危なくなると一方的にクビを切り、今では自分一人になってしまい、倒産寸前になっているのだった。また「新作プロジェクト」と言うのも嘘だと告白した。で「私には無理なのかも知れません」と諦めの言葉を口にした。

これに所長は「諦めるのは早いのではないですか」と言って、ヘンデルについての説明へ突入する。ヘンデルの生い立ちからはじまり、オペラで成功するが、そのオペラが斜陽になると興行に失敗し破産寸前に陥った。更に脳卒中が襲った。そんな時に依頼されたのが「メサイヤ」ということで、第29曲に感化されたとして、その辺りの説明を経て、3週間で「メサイア」を書き上げたと語られた。→この曲が僅か3週間って、本当にスゴイですね。

ということで、ヘンデルもこの曲に救われたということで、依頼人に対して「まだまだ大丈夫ですよ」と言うカノンさん。依頼人は「救い」という言葉を理解して、「罪深い人間の心を救う」というゲームと気づいた。(最初は「面白そう」と言ったカノンさんが「何か重いし、難しい~」と漏らしていた。)

所長は、まだまだアイデアがあるということで、「メサイヤ」というとこの曲である第44曲の「ハレルヤ」へ。(やっぱりここがこの曲のメインイベントですね。)

親しみやすいメロディの解説として、何度も繰り返されるシンプルな音型が形を変えて何度も出てくるということ、また、短いメロディの後ろに休符が入っていることで、躍動感を生み出しているということで、さりげないことが上手く活かされているのですね。また、ゴスペルにも通じる所があると語られるが、ゴスペルはアメリカの黒人教会から生まれた福音歌であるので、元々キリストとは深く繋がっているものである。ヘンデルの「メサイヤ」とは生まれた場所は異なるが、キリスト教に繋がっているということを考えたら、通じている部分があるのも当然だと思います。

で、「シンプルで巧み」というキーワードから、依頼人が昔作っていたゲームということが出てきて、いつしか忘れていた初心を思い出した。更に「もう1つ思い出して欲しいことがあります」と所長は言うと、ヘンデルのマジックとして合唱に仕組まれたテクニックが語られる。長音と、繰り返される度に高い音に登り詰めていく音階が効果的で、みんなで喜びを共にする音楽になっている。だからこそ人々に愛されていて250年以上も歌い継がれているのだ、と所長は語った。で、依頼人に「ゲームがヒットした時、何が一番嬉しかったですか?」と問い、子供たちの笑顔と返した依頼人。所長はそれが力となってゲームを作らせていたのでは?と言い、カノンさんは「また遊びたい」と言った。これに依頼人は力が湧いてきたと言い、ゲームのアイデアを語った。世界中の人をオンラインで繋いで大繩飛びをする「ハレルヤ大繩飛びゲーム」と口にした。これに「楽しそう」と言うカノンさん。依頼人は「みんな来て」と言って大繩飛びの繩を回すポーズをとり、カノンさんと所長は大繩飛びに加わって行った。(繩は登場せず。)最初はカノンさんと所長の飛ぶタイミングは揃っていたが、次第にずれていきました。→どちらか1人が繩を引っ掛けてしまうのは明かなんですけど...

今回は、ドラマ部分は約34分強、曲が9分弱、ラストのオチの所が1分強という構成で、曲の部分がやや長めでした。当然のことながら、この時間では曲はダイジェストになって了うが、説明された部分中心に、第15、16、17、23、44曲の部分が流れました。(第44曲の「ハレルヤ」はたっぷりと流れました。)

ラストのオチは、外出から帰ってきたカノンさんは、所長がパソコンを相手にしているのを目にすると「珍しいですね」と絡んでいく。所長はパソコンでゲームを作ってみたということで、オーケストラの指揮者の養成ゲームで略して「オケシキ」というゲームだった。指揮棒の先にセンサーが付いていて、それを画面に向かって振るとオーケストラが名曲を奏でるというものと説明する。カノンさんは「面白そう」と言う。「まだ試作の段階」という所長だったが「やるやる!!」と言ってカノンさんは挑戦してみる。で、所長は「『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』を指揮してみたまえ」と良い、指揮棒を受け取ったカノンさんは早速指揮を始める。が、流れてくる曲はカノンさんの指揮を無視してテンポアップしてしまう。「何なんですかこれ?」と首をかしげるカノンさんだったが、所長は「なかなかいなぁ~、試作段階にしては上出来だ」と悦に入っていた。で、カノンさんに「そこからは繊細に」と指示を出すが、上手く行かず「所長、やってみてください」と言うが、所長は「みんなの生活がかかっている」と言う。カノンさんは「おかしいですよ、これ...」と言っていた。

ラストのオチとしては、依頼人から完成したゲームが届くのではなく、所長がゲームを作ったというのは意外な方向でした。センサーの付いた指揮棒を使うゲームを作るとなると、単にプログラミングだけではなくいくつかの技術が必要になるが、所長ってそんな技術まで身につけているのですね。これも意外な所でした。が、「みんなの生活かかかっている」と言ったのは、「オケシキ」というゲームの発売を本気で考えているということですね。→ゲーマーのカノンさんと組んで改良していったら、それなりになってヒットしたりして...

今回の曲は「ハレルヤ・コーラス」の所は誰でも知っている曲であるが、それ以外の所はそうでもないということで、有名な曲であるが全体像は知られていない曲と言って良いものである。そのため、お馴染みの「ハレルヤ・コーラス」についての解説と、それ以外の部分の解説、更にはベースとなっているキリストの物語についての説明とのバランスを取る必要があったと思うのだが、キリストに付いての物語についてをもう少し加えて欲しいと思った所です。(今回触れられている部分では、余りにも簡単すぎるだけに、もう少し説明が欲しいと感じました。)この点が不満であり、ラストのオチにしても、もう少し捻りが欲しかったですね。(例えば指揮棒に関係なくおかしくなってしまうとか...)それだけに、本年最後の新作ということでは、ちょっと物足りなく感じました。

今回で、年内の新作は終了ということで、次の新作は年が明けての2週目となる1/10です。尚、月曜のこの枠は再放送も無く、今週が年内最後です。また、BS-hiの火曜朝の再放送は12/14まで、水曜深夜の再放送枠は年内は放送なし、BS-2の木曜夕方は12/23まで放送あり、日曜夕方は12/26まで放送あり、という予定になっているので、何らかの物語を見ることは出来ます。

で、年明けは1/10からで、ファイルNo.082のレスピーギ「交響詩『ローマの松』」となっています。(ということはも1年目のファイルNo.024のようにカノンさんが外に飛び出す特別編と言うことではないようですね。)

 

ヘンデル:メサイア(全曲)

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  • アーティスト: ジョージ・フレデリック・ヘンデル
  • 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: CD

ヘンデル:オラトリオ「メサイア」(英語版)

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  • アーティスト: リヒター(カール),ヘンデル,ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/12/12
  • メディア: CD
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」

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  • アーティスト: ショルティ(サー・ゲオルグ),ヘンデル,シカゴ交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/21
  • メディア: CD
ヘンデル:オラトリオ「メサイア

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  • アーティスト: ピノック(トレヴァー),ヘンデル,イングリッシュ・コンサート
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2002/06/26
  • メディア: CD
ヘンデル:<メサイア>合唱曲集

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  • アーティスト: ガーディナー(ジョン・エリオット),ヘンデル,イギリス・バロック管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: CD
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」

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  • アーティスト: クレンペラー(オットー),ヘンデル,フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/12/26
  • メディア: CD
ヘンデル/オラトリオ「メサイア」

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  • アーティスト: ガーディナー(ジョン・エリオット),ヘンデル,イギリス・バロック管弦楽団
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1992/09/26
  • メディア: CD
ヘンデル:オラトリオ「メサイア」(全曲)

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  • メディア: CD
ヘンデル:メサイア(全曲)

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  • アーティスト: アーノンクール(ニコラウス),ヘンデル,オルトナー(エルヴィン),ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2005/11/09
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ヘンデル:オラトリオ「メサイア」 (2CD) [Import] (MESSIAH (DLX))

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  • 出版社/メーカー: Harmonia Mundi Fr.
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