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KENNY LOGGINS『BACK TO AVALON』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1988年に発表された彼の6枚目のソロ・アルバムである。前作から3年ぶりのアルバムと言うことになるが、前作と本作の間には「トップガン」を含む3本の映画の主題歌があったため、久しぶりという感じは全くなかったのだが、セールスの方は大苦戦することになってしまった。チャート成績はBillboardで最高位69位に留まっていて、ゴールドディスクにもならなかった。

収録曲は以下の全11曲である。『Nobody's Fool (Theme From 'Caddyshack ll')』『I'm Gonna Miss You』『Tell Her』『One Woman』『Back To Avalon』『She's Dangerous』『True Confessions』『Hope For The Runaway』『Isabella's Eyes』『Blue On Blue』『Meet Me Half Way』。

この中からシングル・カットされたのは次の2曲である。1st.シングルの『I'm Gonna Miss You』はBillboardで最高位82位、2nd.シングルの『Tell Her』は同チャートで最高位76位を記録しているものの、3本の映画主題歌が大ヒット(最高位が全米2位、11位、8位を記録している。)を続けていただけに、伸び悩むことになった。尚、ラストの『Meet Me Half Way』と冒頭の『Nobody's Fool』は映画主題歌として使われた曲であって、共に本アルバムよりも先にリリースされた曲であって、それを収録したものである。(前者がBillboardで最高位11位を、後者が最高位8位を記録している。)シングル曲である者の本アルバムのリリース前のヒット曲であるため、「本アルバムからのシングル・カット」ということには当たらず、「先行シングルの追加収録」である。

のだが、本アルバムからのシングル・カットではなく、シングルを収録しているという形である。

お薦め曲は、シングル曲の『I'm Gonna Miss You』と『Tell Her』、アルバム・タイトル・ナンバーの『Back To Avalon』、そして『Blue On Blue』をピックアップしておく。

1984年の『Footloose』の大ヒット以降、彼は映画主題歌のヒットが続くことになり、結構派手な曲を発表していただけに、本アルバムではそういう派手な所が抑えられていることもあって地味な印象がしてしまい、それがセールスが伸び悩む一因にもなってしまった。また、本作は待望のニュー・アルバムであるのに、既に発表されている(異なる)映画の主題歌で始まり、そして幕が下りるという構成は、期待を裏切ることになってしまった。また、他の曲に関しても派手な所が抑えられているだけに地味な印象がするのも目立たないことになってしまう一因である。

確かに、アルバム構成という所では不満の残る内容であって、セールスが伸び悩んだのも納得出来る所である。ただ、映画主題歌を除いたシングル曲はなかなかクオリティが高く、悪いものでは無い。アルバムとしては中途半端になってしまったことから評価が低いが、過小評価されている曲(「隠れた名曲」と言ったらいいですね。)があるのもまた事実である。(こういうところは、やはり彼の本領発揮と言うところである。)過小評価されている数曲については再評価されればよいのだが、安易に映画主題歌を収録するとポシャるという見本となったアルバムでもあり、ここにも'80'sの「産業ロック」の影響が垣間見られている。(→この点では'80'sを象徴するアルバムの一つということも出来る。)音楽的なこともあるが、'80'sの音楽シーンを知る上では、ある意味ではとても貴重なアルバムと言うことが出来るだけに、一度は耳を通しておきたいアルバムである。

 

Back to Avalon

Back to Avalon

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

バック・トゥ・アヴァロン(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/07/22
  • メディア: CD

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