堀江美都子『素直になれなくて』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1983年7月に発表されたミッチの6枚目のオリジナル・アルバムである。(前作から丁度半年でのニュー・アルバムのリリースでした。尚、本アルバムでミッチのオリジナル・アルバムのリリース・ラッシュは一段落となり、次のオリジナル・アルバムは1年半後のライヴ盤になる。)これまでのオリジナル・アルバムではポップな路線からロックの方向に向かっていたが、本アルバムではそれまでの集大成のような感じで、ポップな曲とロック系の曲、更にはゆったりとしたバラード系の曲までがあり、更にはアーティストとしての姿勢も見られる。アニソンでは、本当にどんなジャンルの曲もこなすミッチであるが、アーティストというまた違った一面が出てきて、本当に何でも歌えるミッチということを印象づけることになったアルバムである。
収録曲は以下の全10曲である。『愛さずにいられない』『渚でつかまえて』『素直になれなくて』『迷路(ラビリンス)』『黄昏の街へ…』『Woo!! Baby』『Catch Me Tonight』『ウィークエンド・ナイト』『ピリオド』『楽しい想いで』。
この中からはアルバム・タイトル・ナンバーでもある『素直になれなくて』がシングル・カットされている。(『愛さずにいられない』がB面にカップリングされていた。尚、このタイトルで、CHICAGOの曲を思い出せば、あなたは洋楽ファンであるが、全く関係ない別の曲である。)この曲はミッチが作詞・作曲をしている曲(編曲は別人である。)でもあり、作曲は本アルバムでは唯一、作詞は『渚でつかまえて』とこの曲の2曲である。
ポップな『愛さずにいられない』『素直になれなくて』『ウィークエンド・ナイト』、ロック系の『渚でつかまえて』『Woo!! Baby』『Catch Me Tonight』バラード系の『黄昏の街へ…』『迷路(ラビリンス)』『ピリオド』『楽しい想いで』というように、全体のバランスがとれていることで、ミッチの異なった側面を楽しむことが出来るのが嬉しいところである。
お薦め曲としては、アーティストとして、表現者として、これだけでミッチの様々な側面が出ている『素直になれなくて』と『Catch Me Tonight』、じっくりと聴かせてくれる『迷路(ラビリンス)』と『楽しい想いで』、テンポ良く、パワフルなミッチのボーカルが堪能出来る『Woo!! Baby』をお薦め曲としてピックアップしておくが、捨て曲が全くなく、全曲をお薦めとしても良いだけの内容である。
尚、本アルバムには「EMOTION」「IMAGE」「READY MADONNA」にはあったど派手な曲は無い。そのため、目立ったアルバムにはなっていないが、トータル・クオリティということではそれらのアルバムに決して劣るものでは無い。(→それだけに前出の3枚のアルバムよりも「アーティスト・ミッチとして完成されたアルバム」ということが言える。)アニソン・シンガーや声優としてではなく、アーティストとしてのミッチは過小評価されているが、本アルバムも正当に評価してもらいたいと思うアルバムである。
※本年の邦楽アルバムのピックアップは今回が最後です。ミッチのオリジナル・アルバムはまだあるが、とりあえずは一区切りということで、来週からは「ま行」のシンガーに移ることにします。
↓ジャケット
↓これの中に復刻版があります。
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