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「THEM!」 [映画(洋画)]

表題の作品は1954年のアメリカ映画「放射能X」である。(日本公開も1954年8月であった。)特撮技術の発展によって、現在では驚愕の映像がリアルな迫力で得られるが、本作は正に職人技という技術を駆使した'50年代らしいSF映画である。モンスター映画などのブームが'50年代にもやってくるが、本作は動物が巨大化したという当時は色々と流行った展開の作品でもあるのだが、'50年代のSF映画を代表する傑作作品の一つとしても知られているものである。

作品データを記しておくと、時間は94分、白黒作品である。原案はジョージ・ワーシング・イエーツ、監督はゴードン・ダグラス。脚本はテッド・シャードマンとラッセル・ヒューズの2人、撮影はシド・ヒコックス、音楽はブロニスラウ・ケイパーである。そして出演は、ジェームズ・ホイットモア、エドモンド・グウェン、ジョーン・ウェルドン、ジェームズ・アーネス、オンスロー・スティーヴンス、ショーン・マクローリー、クリス・ドレイク、サンディ・デスチャー、オーリン・ホーリン、アン・ホカンソン、ドン・シェルトン、フェス・パーカー、たちである。

ニュー・メキシコ州警察のベン・ピータスン部長は、パトロール中に幼い少女を発見した。彼女の側には蟻酸にやられた父親の死体があった。で、この一件について、大がかりな調査団が組織されて詳しく調べるという調査が始まった。調査団のメンバーの一人である昆虫学者のハロルド・メドフォード博士は、現場に残されていた足跡から3mを越えるような巨大な蟻を発見した。博士は、こんなに大きな蟻が生まれたのは、原爆実験の放射能による突然変異によるものと推論した。また、空中からの再調査によって、直径10mにも達する蟻の大穴をつきとめた。で、大蟻を倒すために近代火器を用いて、大穴にいる大蟻たちを焼き殺して全滅させた。しかし、女王蟻をと締めることが出来ず、女王蟻は1匹で何処かへ飛び去ってしまった。ワシントンの対策会議で博士は、女王蜂が繁殖する前に発見して滅さなければならない、と力説し、女王蟻の行方を捜す操作が続けられる。その頃、女王蟻はロサンゼルスに来ていて、そこで繁殖活動を開始していた。ロスの町では義三によって人々が殺されるという事件が連続し、町は恐怖のどん底に落とされる。また、メドフォード博士やピータスン部長たちもロスにやってきて、女王蟻の退治に力を入れる。で、大蟻が潜んでいる場所を発見し、最期の戦いを挑んでいく。で、ピータスン部長は犠牲になってしまうが、大蟻、そして女王蟻を倒し、全滅させることに成功した。

半世紀以上も昔に製作された作品であるため、映像的には最近の作品のリアルさには及ばないが、手作りのよさが出ている作品である。また、ストーリー的にもなかなか上手くまとめられているということで、下手な映画よりも内容はしっかりとしている。

現代のCGをたっぷりと使った技術に頼った作品の映像と比べると、確かにショボイのだが、それ以外の点では決して最新映画に劣るような所はない。(逆に、映像のリアルさだけで、似いようが本作の足元に及ばない作品が多数あるのもまた事実である。)

SF映画史に於いては本作は重要な作品でもあるだけに、SF映画がお好きな方に限らず、一度は見ておくべき作品の一つである。(白黒映像が持つ独特の味わいもまた魅力的である。)

 

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