MANTRONIX『MANTRONIX: THE ALBUM』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。ヒップホップが台頭してきた'80's中期、ヒップホップは様々な試みが行われていたこともあって、様々な呼び方がされた時期がある。特に彼らのサウンドはエレクトリック・ダンス・ミュージックという要素が強かったことと、ファンキーな要素に満ちていたことから「エレクトロ」と呼ばれていた。本アルバムはそんな彼らの熱い魂の入ったアルバムである。但し、チャートの方ではそれなりの範疇であって、Billboardのアルバム・チャートでもR&B/HIP HOPアルバム・チャートで最高位47位を記録しただけであった。
オリジナル盤では全7曲の収録であったが、2006年にイギリスで再発されたものには5曲のボーナス・トラックが追加されて、全12曲の収録となった。収録曲は以下の通りである。『Bassline』『Needle To The Groove』『Mega Mix』『Hardcore Hip Hop』『Ladies』『Get Stupid Fresh Part 1』『Fresh Is The Word』。(以下、2006年版のボーナス・トラック)『Ladies (Revived)』『Bassline (Stretched)』『Hardcore Hip Hop (NME Mix)』『Ladies (Dub)』『Ladies (Instrumental)』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。但し、アルバム同様にBillboardのHOT 100を賑わすことはなく、それなりのヒットであった。(チャートにランクインしたのはBillboardのダンス・ミュージック・チャートであった。)1st.シングルの『Fresh Is The Word』はDMチャートで最高位16位、2nd.シングルの『Needle To The Groove』は同チャートで最高位23位を記録している。
お薦め曲としては、デビュー曲の『Fresh Is The Word』、彼らのサウンドを象徴している『Hardcore Hip Hop』、そして様々なバージョンが存在している『Ladies』をピックアップしておく。
尚、オリジナル盤では収録曲が7曲ということで少なく感じられるが、時間的には長い曲が多いので、37分強に達しているので、まずまずといった所である。
ヒップホップ・アルバムであるが、エレクトリック・サウンドと融合したダンス系アルバムであるため、「ヒップホップ」ということをあまり意識すること無しに楽しむことが部着るアルバムである。ただ、ダンス・ミュージックと捕らえると、'80'sの、しかも初期ヒップホップで様々な試みが行われていた時期のものであるため、四半世紀が流れた現在では陳腐化していると感じられるのだが、これは仕方のない所である。(それだけ技術革新があった分野の音楽でもありますから...)
まあ、ヒップホップがお好きな方は聴いておいて当然であるが、'80'sのダンス・ミュージックがお好きな方、更には'70'sのファンキー・ミュージックとその系統を楽しみたいという方にもお勧めしておきたいアルバムである。
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