「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その194) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「ピアニスト?」です。(疑問符が付いているのは、その人が本職のピアニストではないためです。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「海・2nd.1話」、「007」からは「ムーンレイカー」です。
「ケータイ刑事」:「海・2nd.1話」。「スニーカー、復活! ~エリーゼのためにならない殺人事件」という物語。五代さんが「零・2nd.」以来の「ケータイ刑事」に復帰ということになった物語である。(五代さんは、本家四姉妹の全員と、分家では海ちゃんのみの5人とコンビを組んでいる。)
冒頭で、海ちゃんが(1st.シリーズでの相棒だった)高村さん(スコットランドヤードに出向した。)のことを「どうしているのかなぁ?」と言ってもの思いにふけっていた所で会ったのが五代さんだった。(その時は名乗っていないので、まだその人がコンビを組むことになる相手ということは、お互いとも知らなかった。)
五代さんは「気合いだ!」と声を挙げると、座禅を組んで気合いを入れる。海ちゃんは側に寄っていって、その様子を見ていた。すると五代さんは、突然、ピアノを演奏する格好を始める。まずは鍵盤の蓋を開く。続いて演奏を始める。(と言っても、エア・ピアノと言ったら良く、海辺の公園でのことなので、その場にはピアノの現物は無い。)曲は『エリーゼのために』であって、海ちゃんは曲名を言う。五代さんは外野には目も暮れず、気持ち良さそうに(エア)ピアノの演奏を続ける。海ちゃんは側でじっとその様子を見ていた。
が、途中で「あっ、1音外した」と口にする海ちゃん。転けた五代さんはエアピアノの演奏を止めると「何だ?」と漏らす。海ちゃんは「1音外しましたよね?」と言う。五代さんはムカッとした顔をして両手で鍵盤を力強く叩く(エアピアノですが...)と立ち上がり、「君は何も分かっていない。音楽とは愛なんだ」と口にする。そして「1音外そうと、2音外そうと、そんなことは関係ない」と力説すると「覚えておきなさい」と言う。これに海ちゃんは「大変勉強になりました」と大人の反応をした。が、その後で「このおじさん、誰?」と口にしていた。
五代さんは公園の方に歩いてくる(五代さんが通っているピアノ教室の)ピアノ・クイーンの宝積さんを目にすると、「アッ、宝積だ」と言う。で、ここからはクイーン宝積さんのPVの様な展開になって、『私はクイーン』を熱唱する。(この時の衣装、スカートの柄がピアノの鍵盤になっていました。)で、歌い終わるとそのまま通り過ぎていった。で「撃沈」と言う海ちゃんは、五代さんの凹んだ顔を携帯で撮影していた。
五代さんは携帯で時間を見ると10時になるということで、「遅刻だ」と言い、海ちゃんに向かって「じゃあな、女子高生」と言って去って行った。五代さんがいなくなると、海ちゃんは「変なおじさん」と呟いていた。
このシーンが、「海・2nd.」でコンビを組むことになる海ちゃんと五代さんとのファースト・コンタクトであり、まだ名乗っていない状態の、相手のことを全く知らない状態でのお約束もしっかりと入っていました。
(この後、事件発生の入電が入り、現場に向かった海ちゃんは五代さんと再会し「さっきの女子高生」「さっきのおじさん」からはじまる一連のお約束を経ることになります。)
「007」:「ムーンレイカー」。1979年のシリーズ第11作で、3代目ボンドの第4作である。製作年の下一桁が「9」の年の製作であるということで、シリーズの中ではやはり異色作ということになっている。それは、I・フレミングの同名の原作小説を大きく改変していることであり、原作小説はイギリスだけを舞台にした物語であったのを宇宙機簿に変えている。また、当時は「スターウォーズ」から始まるSF映画のブームがあったということで、「007」シリーズの中では最もSF色を濃くして、スペースシャトルを登場させたり、クライマックスの敵との対決は宇宙にある宇宙ステーションを舞台にして、ボンドが地球から飛び出すという作品になった。但し、ら快適に大ヒットを記録して、当時、シリーズの興収成績の新記録を樹立した作品でもある。
アメリカからイギリスに輸送中のスペースシャトルが消えた。運んでいたジャンボ機の方は墜落した残骸が発見されたが、スペースシャトルの方は残骸が一切無く、忽然と消えてしまった。ということで、イギリス情報部はその調査のためにボンドを派遣した。
ボンドは、スペースシャトルを製造したドラックス産業のドラックスの屋敷にヘリコプターでやってきた。まずはドラックスと会うことになっていて、ボンドは執事を経てドラックスの元に案内される。
応接室に案内されたボンドは、そこでグランドピアノの前でピアノを弾いているドラックスの元に通された。(ドラックスはショパンの『24の前奏曲』の一部を弾いていた。)ボンドはドラックスの側までやってくるが、ドラックスは気持ち良さそうに弾き続ける。が、執事に気づき、演奏を止めた。執事が「ボンド様がお着きです」と言うと、立ち上がってボンドの元に寄って行き、譜人は挨拶をして握手をした。続いて、側でピアノの演奏を聴いていた2人の女性を紹介するドラックス。ボンドは軽く挨拶をするが、2人の女性は軽く会釈すると、客人ということで席を外した。
で、ドラックスとボンドは話し始める。ドラックスは、ボンド(=イギリス)がスペースシャトルを失ったことのお詫びのためにやってきたものと思っていた。が、ボンドは「謝罪はいずれ正式にアメリカ政府になされる」と言い、それはシャトルが消えた理由を突き止めた後で、と言う。そんな所にティータイムということで、用心棒兼使用人のチャーが紅茶を運んできた。で、お茶を勧めるドラックス。が、ボンドは気持ちだけと言った。で、スペースシャトルのことを少しだけ話すドラックスだった。
そんな所に、ヘリのパイロットだったコリンがやってきた。ということで、ボンドはスペースシャトルの施設の見学をということで、担当のグッドヘッド博士(=この物語のボンドガール)の元に案内するということで、ボンドとドラックスの話は終わった。ボンドか去っていくのをじっと見ていたドラックスは、ボンドがいなくなると、側にいたチャーに、後のことを任せて、「(ボンドを)無事に帰すな」と命じた。
この物語では、ドラックスが敵の親玉であるのだが、主人公・ボンドとのファースト・コンタクトであった。で、敵の親玉はボンドの正体(=イギリス情報部員)を知っていることをはじめ、いくつかのお約束がしっかりと入っていました。
共通点は、主人公(銭形/ボンド)と、重要な相手(相棒/敵の親玉)とのファースト・コンタクトというシーンであり、その時に主人公の重要な相手がピアニストではないのにピアノの演奏をしているということである。(「ケータイ刑事」ではエアピアノですが...)また、シリーズでのお約束がしっかりと入っているということ、重要な相手は野望を持っている(「ケータイ刑事」ではクイーン宝積にアタック、「007」では世界征服)ということ、及びその野望は(後に)成就せずに失敗する(「ケータイ刑事」では直ぐに撃沈、「007」ではクライマックスでボンドが野望を阻止することになる。)ということ、この時に途中で登場するキャラクター(「ケータイ刑事」ではクイーン宝積、「007」ではコリン)と退場するキャラクターがいるということ(「ケータイ刑事」ではクイーン宝積、「007」では執事とピアノを聴いていた2人の女性)である。また、この時の2人の接触時間はそれほど長くなかったということも共通している。
他人とのファースト・コンタクトであれば、人間はある程度は同じような行動パターンとなるのだが、ここまで共通点が多いとなると、やはり「驚くべき類似点」ということになりますね...
一方、相違点としては、「007」では実際に本物のピアノでの演奏をしているが、「ケータイ刑事」ではエアピアノだったということで、音は出ていないということ、また、曲は「007」ではショパンの『24の前奏曲』、「ケータイ刑事」ではベートーベンの『エリーゼのために』であったこと、「ケータイ刑事」ではこのシーンでの途中登場キャラと退場キャラが同一キャラ(クイーン宝積)だったが、「007」では別のキャラクターだったことである。また、ファースト・コンタクトであったものの「007」では互いに相手が誰であるのかを知っていたため、名前で呼び合っていたが、「ケータイ刑事」では全く知らないということで、名前では無くて「変なおじさん/女子高生」と言っていたと言うことである。
次回もシチュエーションということで記します。何が登場するのかはお楽しみに。また、「銭形結」関係は、もうしばらく温めておくことにします。
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