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「LES VISITEURS DU SOIR」 [映画(洋画)]

表題の作品は1942年のフランス映画「悪魔は夜来る」である。日本公開は1948年7月であった。「本作が製作された当時のフランスはドイツに占領されていた時である」ということを頭に入れて見るべき作品である。尚、タイトルからホラー映画や恐怖映画を連想してしまうが、そういう作品ではなく、人間ドラマである。

作品データを記しておくと、時間は123分、白黒作品である。監督はマルセル・カルネ、脚本はジャック・プレヴェールとピエール・ラローシュの2人、撮影はロジェ・ユベール、音楽はモーリス・ティリエである。そして出演は、マリー・デア、アラン・キュニー、ジュール・ベリ、フェルナン・ルドー、アルレッティ、シモーヌ・シニョレ、ロジェ・ブラン、マルセル・エラン、ガブリエル・ガブリオ、ピエール・ラブリ、ジャン・ディード、たちである。

15世紀のフランス。ユーグ男爵の壮大な城ではアンヌ姫と騎士ルノオの婚約披露宴が行われていた。数多くの人たちが集められていた。そんな中にある吟遊詩人の兄弟がいた。しかしその兄弟の正体は吟遊詩人でも兄弟でもなく、かつて恋人同志であったジルという男とドミニックという女であり、悪魔に魂を売って悪魔の命令でアンヌとルノオの幸せを壊す目的で送り込まれたのだった。ジルの歌はアンヌの心を捕らえ、ドミニックの美しい脚はルノオの眼を奪った。宴が終り、参加者がダンスを始めたが、この時、ドミニックが静かに琴を鳴らした。すると楽士だけでなく踊る人々は全て石像のように動かなくなってしまった。そしてジルはアンヌを、ドミニックはルノオと共に庭に連れて行った。で、2人が囁くと、アンヌトとルノオは自分たちの婚約ということも忘れてしまった。その夜、ドミニックはユーグ男爵の部屋にやってくると、女ということを見せつけて男爵に愛の思いを燃え上がらせ、悪魔の命令を着実に実行していた。しかしジルは、一途にルノオに彼を愛するアンヌの真心に動かされてしまい、悪魔から命じられた使命を忘れ、人間の本心に戻って彼女を愛した。しかし、それを知った悪魔は怒り、旅をしている貴族を装って雷雨の夜に白に乗り込んできた。で、ルノオはドミニックと男爵の密会から激しく嫉妬して、男爵と決闘することになる。しかし、悪魔が男爵に力を貸したことでルノオはあっさりと殺された。そして男爵はドミニックの言うがままになっていて、悪魔の命令で城を去ったドミニックを追っていった。一方、悪魔の命令に背いたジルは牢屋に繋がれて鞭打たれるが、アンヌの一途な愛の心は変わらない。で、悪魔はジルを自由にするから命令に従うようにアンヌを強要した。アンヌにそれを拒むように叫ぶジルだったが、アンヌはジルことを思って、悪魔の申し出を受けた。で、ジルは解放されたが、記憶を消されたため、アンヌのことも忘れていて、城を出て行った。アンヌはそんなジルの姿を見ても心は変わらなかった。で、悪魔に申し出て、ジルと初めてキスした泉に行かせてくれるように頼み、悪魔もそれを承知した。泉でアンヌは、ジルに泉の水を手に汲んで飲ませた。するとジルは愛するアンヌのことを全て思い出した。二人の愛が甦ったことを知った悪魔はこれに怒り、2人を石に変えてしまった。しかし、ジルとアンヌは抱き合ったまま石になった。これに悪魔は更に怒り、石になった二人に対して鞭を打つが、石となった2人はいつまでも動かずに抱き合ったままであった。

物語をそのまま解釈するのではなく、本作は製作された時代背景と重ね合わせて物語を解釈するべきである。則ち、どんな苦しい状況であっても愛する人を思いやる心を忘れずにということであり、これは占領されていても自由に対する思いを忘れないということである。また、これを社会的な困難な状況ということに置き換えると、震災があった現在、忘れることなく持ち続けたい思いでもある。少し変わった形でと言うことになるが、ここに取り上げておくことにする。

 

↓ビデオです。(日本版と輸入版です。)

悪魔が夜来る [VHS]

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • メディア: VHS

 

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