RIC OCASEK『BEATITUDE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。CARSの中核メンバーであり、当時はCARSの方も好調であり、最盛期に入っていただけに、ファンとしては実に嬉しいソロ・アルバムのリリースであった。が、サウンドの方は、CARSの明るく楽しいものとは大きく異なるものであったことで、アーティストとしての彼の存在感を示すことになったアルバムでもある。尚、チャート成績の方は、チャートインをするところまでは伸びていない。
収録曲は以下の全10曲である。『Jimmy Jimmy』『Something To Grab For』『Prove』『I Can't Wait』『Connect Up To Me』『A Quick One』『Out Of Control』『Take A Walk』『Sneak Attack』『Time Bomb』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングルの『Something To Grab For』はBillboardでも最高位47位を記録するそれなりのヒットとなったが、2nd.シングルの『Jimmy Jimmy』、3rd.シングルの『Connect Up To Me』はチャートインしていない。
お薦め曲としては、シングル・ヒットを記録している『Something To Grab For』と、シングル曲の『Jimmy Jimmy』、それ以外からは『Prove』と『I Can't Wait』をピックアップしておく。
曲の方はポップな所もあるものの、ノリの良いものではなく、心の内面を描いた重みのあるものである。彼の名前から、当然のことながらCARSの明るいサウンドを期待してしまうが、CARSと全く同じサウンドを奏でるのであれば、彼のソロ・アルバムとして発表する必要はないので、アーティストとしての彼を評価するには本アルバムのような内容で良かったと言うことになる。(但し、商業的な面で捕らえると、成功したとは言えないですが...)
とは言っても、CARS解散後にソロとして活動をしつつ、音楽プロデューサとしても活動している彼にとっては、キャリアの上でも一つのポイントになるアルバムであるだけに、コアなファンという方は聴いておくべきアルバムであり、そういう方に向けたアルバムである。(CARSのサウンドを期待する方、及び、明るく楽しい'80'sサウンドを期待する方は、そのままお帰り願った方が宜しいかと...)
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