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「VERITES ET MENSONGES」 [映画(洋画)]

表題の作品は1975年のフランス、西ドイツ、イランの合作映画である「オーソン・ウェルズのフェイク」である。日本での劇場公開は1978年8月であった。また、英語タイトルは「F FOR FAKE」である。彼の晩年の傑作として知られている作品であるが、それでも賛否両論ある作品であって、こういう所も彼らしい所である。

作品データを記しておくと、時間は89分、監督と脚本はオーソン・ウェルズ、撮影はクリスチャン・オダッリとゲイリー・グレイヴァーの2人、音楽はミシェル・ルグランである。そして出演は、オーソン・ウェルズ、オヤ・コダール、エルミア・デ・ホーリー、ジョセフ・コットン、ポール・スチュワート、ローレンス・ハーヴェイ、クリフォード・アーヴィング、エディス・アーヴィング、フランソワ・レシェンバック、ハワード・ヒューズ、たちである。

地中海のイビサ島。オーソン・ウェルズ自身が、今世紀最大のペテン師と呼ばれる2人を案内している。その2人のペテン師とは、ピカソやマチスなどの絵を描き上げてしまう贋作画家のエルミア・デ・ホーリーと、エルミアの伝記「贋作」を書き上げたクリフォード・アーヴィングである。エルミアは陽気な初老の紳士であり、自分の贋作に絶対的な自信を持っているものの、いつも官憲に追われる不安を抱いていた。一方、アーヴィングは謎の大富豪・ハワード・ヒューズのニセ自伝事件を起こしていた男であった。ヒューズはアーヴィングには会ったことがないと証言したが、それはヒューズ自身の声だったのか、そもそも人前に姿を現さないことで有名なヒューズは本当に存在していたのか。そしてウェルズもフェイクで世を渡ってきたことを告白するが...

真実と虚構とを織り交ぜて語られるストーリー(エピソード)は色々と面白いのだが、映像作家としての表現に関しては取り立ててウェルズらしさというものが伝わってこないのが残念なところである。(この辺りが本作の評価の分かれる所でもある。)が、ドキュメンタリー映画以外は「フェイク」であるということを考えれば、ブラック度もある面白いことになりますね...

 

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