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「女賭博師」(その8) [映画(邦画)]

今回は、全部で7作が製作された1968年の作品群の中から、残っているシリーズ第10作と第11作についてです。第10作は1968年11月に、第11作は同年12月に劇場公開になっている。

シリーズ第10作女賭博師奥ノ院開帳
作品データを記しておくと、1968年の大映作品であって、時間は83分、監督は井上芳夫、脚本は石松愛弘、撮影は中川芳久、美術は井上章、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、伴淳三郎、田中邦衛、笠原玲子、八代順子、見明凡太朗、藤山浩二、北龍二、井上大吾、内藤武敏、上野山功一、豪健司、佐伯勇、星ひかる、水原浩一、志保京助、森田健二、南明、飛田喜佐夫、九段吾郎、高村栄一、遠藤哲平、後藤武彦、渡辺鉄弥、花布洋、喜多大八、荒木康夫、中原健、北城寿太郎、杉森麟、甲斐弘子、三夏伸、矢田部賢、たちである。

奇術団松旭斎一座の売れっ子スターの銀子と妹・みどり。座長の松旭斎は銀子の成長ぶりに目を細めていて、跡目を継がせようと考えていた。が、銀子は、孤児だった自分を養育してくれた松旭斎の温情に報いるために、跡目はみどりに継がせるべきと考え、好きな賭場に通いつめる。これに業を煮やした松旭斎は銀子を勘当した。一座を離れて一人になった銀子は賭場から賭場を渡り歩き、賭博師としての腕を磨いていく。ある日銀子は、とある賭場で、神業のような腕を見せた老人に出会った。その数日後、ある港町で銀子は、妹・みどりの介添役をしていた一座の三吉とばったりと会った。三吉によると、松旭斎は一年ほど前に何者かに殺され、一座は解散し、みどりと三吉はドサ回りをしているとのことだった。銀子は直ぐにみどりの元を訪ね、松旭斎が殺された時に握っていたというサイコロを譲り受けた。で、銀子はそのサイコロを元にして犯人を捜し始めた。やがて、ツボ振りの喜助を尋ねた銀子は、松旭斎の握っていたサイコロが竜虎のサイの片割れであることを知る。喜助は竜虎のサイを疾嵐の辰が所持していると銀子に教えた。それから銀子は辰を捜し始め、河井の賭場でその辰と出会った。銀子は辰に松旭斎殺しの一件を尋ねたが。その当時、辰は刑務所に入っていたと言った。全国の胴師の寄合いが開かれた夜、銀子は竜次と対決したが、その時竜次は竜虎のサイを見て動揺し、銀子はそれ見逃さなかった。新たな手掛かりを掴んだ銀子だったが、その直後に竜次は唐沢一家に殺されてしまう。また、唐沢はみどりと三吉の出演しているストリップ小屋を経営していたことがわかる。みどりは裸になることを拒むと、唐沢は2人を軟禁し、みどりを囮にして、盆で縄張りの決着をつけることを申し出る。で、その勝負の賭場で、銀子と辰が勝負することになる。勝負を前にした銀子は松旭斎の墓参りをし、辰もやってきたことで、辰が自分の実の父であることを知った。その夜、運命の勝負が行われる。銀子は押され気味だったが、最後の勝負で銀子が勝った。敗れた辰は銀子の前で自殺したのだった。

展開は悪く無いのだが、結末にもう一ひねり欲しいと感じた作品であった。または、みどりとの姉妹という設定をもう少し行かせたら良かったとも感じられた。まあ、シリーズでお馴染みのパターンを踏襲すると言うことを考えたら仕方のない所なのかも知れませんが...

シリーズ第11作女賭博師みだれ壺
作品データを記しておくと、1968年の大映作品であって、時間は83分、監督は田中重雄、脚本は高岩肇、撮影は中川芳久、美術は後藤岱二郎、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、安田道代、浪花千栄子、長谷川待子、川津祐介、寺島達夫、柳永二郎、長門勇、小松方正、京唄子、鳳啓助、三波伸介、戸塚睦夫、伊東四朗、早川雄三、夏木章、亀石征一郎、北城寿太郎、水原浩一、伊東光一、谷謙一、中田勉、豪健司、三夏伸、八泉鮎子、九段吾郎、後藤武彦、井上大吾、杉森麟、森田健二、森一夫、甲斐弘子、中原健、花布洋、南方伸夫、槙俊夫、ジョー・オハラ、隅田一男、志保京助、佐伯勇、土井武、伊達正、高村栄一、津田駿、たちである。

開運出世を願う参詣者で賑わうだるま大師は、関東一円のやくざたちが抗争を繰り返していた場でもあった。それが、大晦日に行われるはんがん勝負によって翌年の全ての権利を取り決めることになり、やくざたちは腕の良い賭博師を抱えるようになる。お銀は大門組の代表としてその勝負に出るが、決勝で山川組の友造に敗れてしまう。で、一年後の雪辱を期して修行の旅に出た。東海地方で最初に勝負をすることになったのは、大門の弟分・小田島の縄張を賭けた勝負となって、黒木組の尼姿の梨江に勝って小田島組を守ると旅に出る。が、小田島が黒木組に刺殺され、大門が山川組の縄張荒しに苦慮していると亥之吉がお銀に伝えた。冷静なお銀は更に修業をして腕を磨き、極意を体得しようと努力する。しかし、ある漁港で壷を振っていた時、お銀は思わぬ窮地に追いつめられることになる。それは、お銀の恩人・お藤の娘・和子に勝を譲ったためだった。その場を亥之吉に助けられたお銀は、今では足を洗い、小料理屋を営んでいるお藤の元を訪ねた。お藤はかつて、大賭場で破った和子の父が自殺したのを機に足を洗い、和子を引取り育ててきたのだ。何だかんだで12月になって、今年も大晦日の勝負が近づいてきた。山川組は、切札・友造を探していたが、見つからないことで、お銀を監禁するという手に出た。亥之吉がお銀を助けようとして乗り込んできて、救出されたお銀だったが、亥之吉は山川一家に殺されてしまう。大晦日、勝負の時が刻一刻と近づくが、お銀は姿を現さない。大門はやむなく代理をたてようとしたが、その時、お銀が現われた。昇り竜お銀の業は修業の成果もあって冴えていて、遂に山川組の友造に勝ち、去年の雪辱を果たした。

パターンの物語の部分はともかく、それ以外のところの描き方が何とかならないものですかね。折角良いキャラクターがいるのに、それを十分生かしきれていないのが残念であった。

シリーズも作品数が二桁に乗り、お馴染みの所はともかく、それ以外の所ではほころびが見えてきた作品でした。(が、翌1969年も4本が製作され、最終的にはこの後6本も製作されるのですけど...)

 

↓本作ではなく、シリーズ作品の一部ですが...

女賭博師 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • メディア: VHS

女賭博師 十番勝負 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

女賭博師 花吹雪お涼 [VHS]

  • 出版社/メーカー: BMGビクター
  • メディア: VHS

女賭博師 さいころ化粧 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

女賭博師 丁半旅 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

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