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「女賭博師」(その9) [映画(邦画)]

今回は、4作製作された1969年の作品群の中から、シリーズ第12作と第13作の2本について記します。尚、第12作は1969年2月に、第13作は同年5月に劇場公開されている。

シリーズ第12作女賭博師さいころ化粧
作品データを記しておくと、1969年の大映作品であって、時間は83分、監督は井上芳夫、脚本は石松愛弘と井上芳夫の2人、撮影は中川芳久、美術は高橋康一、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、久保菜穂子、露口茂、大坂志郎、成田三樹夫、青山良彦、笠原玲子、上野山功一、北城寿太郎、北竜二、水原浩一、松下達夫、内田朝雄、星ひかる、谷謙一、佐藤正三郎、飛田喜佐夫、豪健司、三夏伸、ジョー・オハラ、大山健二、伊東光一、森一夫、森田健二、杉森麟、井上大吾、九段吾郎、喜多大八、中原健、荒木康夫、佐伯勇、花布洋、遠藤哲平、松村若代、たちである。

大滝銀子の父・辰造は、イカサマ賽を使ったということで命を落すことになった。その時の相手は緋桜のお秋で、イカサマを暴いたのは木壷の半次であった。また、辰造の親分だった三田村は、子分たちにも逃げられ、縄張りは新興ヤクザの風間に荒されるようになった。しかし、銀子は父のイカサマを信じでおらず、真相を究明するために旅に出た。父に負けない壷ふりになることを目指している銀子は、辰造の最後の相手だったお秋を徹底的にマークして、お秋の壷さばき、札さばきを徹底的に観察する。が、お秋は銀子にしつこくつきまとわれることを嫌って、銀子を捕らえ、目的を履かせようとした。これに銀子は、素性を隠し、お秋に弟子入りしたいと言い、それが認められた。こうしてお秋に従って行動するようになった銀子は、お秋の賭場で中盆を務めるようになり、コンビとして知られていくようになった。その頃、野狐一家の供養盆を三田村に変って仕切った風間は、、名実ともに日本一の親分になるための策略を練っていた。そんな所に辰造の一番弟子の政吉が出所して戻って来た。しかし、風間には邪魔な存在でしかないため、政吉は風間たちに殺されてしまう。三田村は胴師に政吉をと考えていたが、仕方なくお秋を使うことにして野狐盆に挑むことにした。勝負の席で木壷の半次から「待った」の声が掛かり、お秋がイカサマをしたとされ、お秋も消されてしまう。一部始終を見ていた銀子は父・辰造、そしてお秋の仇を取るために厳しい修行を重ね、半次の巧妙な逆イカサマを鋭く見破り、仇を取った。

お馴染みのパターンで進んで行く物語であって、特にこれと言うところのない作品でした。

シリーズ第13作女賭博師十番勝負
作品データを記しておくと、1969年の大映作品であって、時間は84分、監督は田中重雄、脚本は高岩肇、撮影は中川芳久、美術は後藤岱二郎、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、峰岸隆之介、大坂志郎、夏純子、高千穂ひづる、船越英二、見明凡太朗、渡辺文雄、小松方正、松井康子、菅井一郎、桂菊丸、桂高丸、正司照枝、正司花江、北龍二、平泉征、井上大吾、早川雄三、上野山功一、北城寿太郎、三夏伸、佐伯勇、夏木章、たちである。

兼松組の女胴師・大滝銀子は、不敗を誇っていた留造を破り、遂に名実共に日本一の賭博師となった。が、兼松組の縄張りを狙っている新興やくざ中井組は、兼松組の客を横取りして挑発をする。で、銀子は兼松に代わって決着を付けようとして、一人で中井組に乗込み、盆で決着をつけるよう申入れ、勝負が行われることになった。勝負はイカサマを見破った銀子が勝利を手にし、ことは解決したと思われたが、中井は兼松を闇討ちにして殺し、銀子にも刺客を送った。幸にも銀子は一命を取り留めたが、銀子を救ったのは留造の息子の健一だった。健一は父の無念を晴らすために修行に専念していたが、盆の恨みは盆で返すということで、意識を失っている銀子を病院に運ぶと、名前も告げず去ったのだった。意識を取り戻した銀子は数日後、胴師として兼松の供養盆に出る。が、銀子は緋桜のお雪との勝負に敗れてしまう。銀子は刺客に襲われた時に目をやられていたのだった。伊豆に向かった銀子と再会した健一は、留造の息子と名乗って銀子に勝負を挑むが、銀子の目がおかしいことに気づくと、医者を紹介し、銀子は手術を受けることになった。手術は成功し、銀子の目は元に戻った。前回した銀子は東京に戻るが、父が創業した大滝海運は中井と手を結んだ専務の沢村に乗取られていた。更に兄の隆治が襲われて死亡する。全ては中井が操っているとして、銀子は一人で中井組に乗込んだが、中井は健一を相手に勝負を申し出た。それを受けた銀子は、父の無念を晴らす機会を得た健一との勝負をすることになる。目のことで恩があるものの、勝負は勝負ということで、銀子は勝ったのだった。

前作と同様に、パターンに填った物語であり、やはり可もなく不可もなしという一本である。銀子に目を痛めたというところは方向性としたら面白いのだが、無事に回復してしまうというのは、折角のアイデアを生かしきれなかったといった所でした。(違う方向に持っていったら、傑作になり得ただけに、ちょっと残念でした。)

今回の2本は、シリーズ作品でパターンに従った作品ということで、普通に楽しむには良いが、シリーズ作品の枠に収まった作品の一つという平凡な作品でした。

 

↓ビデオですが...

女賭博師 さいころ化粧 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

女賭博師 十番勝負 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

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