「WHORE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1991年のアメリカ映画「ボンデージ」である。(日本での劇場公開は1992年10月であった。)鬼才・ケン・ラッセルの本領を発揮した作品であって、戯曲を映画化したものである。また、音楽の使い方が上手い作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は85分、原作戯曲はデヴィッド・ハインズ、監督はケン・ラッセル、脚本はケン・ラッセルとデイボラ・ダルトンの2人、撮影はアミール・モクリ、音楽はマイケル・ギブスである。そして出演は、テレサ・ラッセル、ベンジャミン・モートン、アントニオ・ファーガス、エリザベス・モアヘッド、サンジェイ、ジャック・ナンス、ジンジャー・リン・アレン、たちである。
娼婦のリズは、ヒモのブレイクカラ逃れて、この街に最近やってきた女だった。ダウンタウンの片隅で客を捜し、商談が成立すると客の車に乗り込んだ。が、車の中には2人の男がいたことから、リズは怒りだして逃げた。そして過去を語り始めた。彼女はかつて、純情そうな青年のバンに乗り込んだ時、車内に数人の男たちが隠れていて、その男たちに輪姦されていたのだった。更に、ヒモのブレイクに散々いたぶられたこと、常連の老人・チャーリーのこと、クラックを得るために体を売る女たちのこと、結婚して息子ができたものの、夫がアル中になって家庭崩壊したこと、ヒモのブレイクに腹を刺された売春婦仲間がいること、などなどで、現代社会の暗部を嫌と言うほど見せつけられていた。そんなリズは、現在では、自分を追い求めているヒモのブレイクに脅えているだけだった。ある日、リズは客との性交中に、男が死んでしまうということに出くわした。どうしたらいいのか分からないリズの前に現れたのはブレイクだった。ブレイクはリズを怒鳴ると、その場を始末しようとする。が、ブレイクの背後に光ものが現れた。それはラスタで。ガラスの破片を手にしていて、ブレイクを刺し殺したのだった。そしてラスタはリズを連れて、街の中に消えていった。
夜の街の姿を描いた作品で、現代社会の暗部を描き、病んだ現代社会の都市の異常な姿を批判をこめて描かれている。表現方法もK・ラッセル監督らしい所が出ていて、音楽の使い方も上手く、かつての冴え渡った所を垣間見ることの出来る作品である。(ただ、大衆受けするような作品ではないのは相変わらずですが...)
尚、本作は、かつてはLDでリリースされていたが、現時点ではDVD化もされていない幻の作品と言うことになっているのが残念な所でもあります。
↓本作のソフトが無いのだ、K・ラッセル監督作品をいくつか拾っておきます。
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