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「女賭博師」(その12) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第51弾として長々と記してきた「女賭博師」シリーズも今回で最後となりました。で、今回は残っているシリーズ最終作(第17作)となった1971年2月に公開された作品について記します。(前作から丁度1年を経過しての公開でした。)

シリーズ第17作新女賭博師 壺ぐれ肌
作品データを記しておくと、1971年の大映作品であって、時間は79分、監督は三隅研次、脚本は高岩肇、撮影は梶谷俊男、美術は加藤茂、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、大楠道代、渡辺文雄、川崎あかね、水上保広、本郷功次郎、早川雄三、伊達三郎、森章二、西川ヒノデ、伊吹新吾、山本一郎、九段吾郎、丘夏子、黒木現、堀北幸夫、寺島雄作、たちである。

大滝銀子は、大恩ある人から辰造を預ることになり、彼を一人前に育てるまでは全ての賭場から手を引くことにした。毎日を辰造の成長のために過ごす銀子だったが、南条組の親分・栄三郎が銀子を誘い、黒門組の看板胴師・緋牡丹お蝶と勝負をさせられ、それに勝ってしまう。で、今度は縄張りを賭けた勝負を挑まれ、断れなくなってしまった。そして勝負の日、銀子は栄三郎を説き伏せて、辰造を勝負の場に送り出した。しかし、辰造はイカサマをしたとして殺されて帰ってきた。辰造を殺したのは流れ者の政だった。銀子は栄三郎に、お詫びとして指をつめようとしたが、逆に無一文になった栄三郎から励まされ、東京を離れることにした。トラックの運転手となった銀子は、ふとしたことからイカサマで荒稼ぎをしている夏江のことを知る。そして水を差したことから瀬戸内海フェリーを経営する太田黒の事務所に連れ込まれる。そこには、かつて銀子に勝負で負けて坊主頭にされた尼姿・お蝶がいた。復讐戦を挑んできたお蝶だったが、軽くいなした銀子。が、今度はドスで斬りつけてきた。それを救ったのは政だった。何だかんだで1年ぶりに東京に戻った銀子は、栄三郎は殺されていて、南条組は風前の灯火で、太田黒と組んだ黒門組が幅を利かせていた。で、南条組は力で黒門組に挑もうとしていたが、それを銀子が抑え、全ては盆で決着を付けるという申し出をした。勝負の前夜、銀子の下に政が訪ねてきた。そして銀子に、辰造のイカサマは黒門組の罠であって、自分もそのことを今日になって知ったと告げ、手を付いて謝罪した。更に、黒門組は胴師として自分の妹であり、稀代のイカサマ師の夏江ということを話した。勝負の日、銀子と夏江の対決が続く。そして最後に銀子が勝った。しかし、すかさず松次郎が仁王立ちになり、刃物を手にした子分たちが雪崩れ込ん出来た。銀子も仕込みのカンザシを抜き、夏江もドスを構えた。一触即発の中、政が襖を蹴飛ばして入って来ると、賭場は戦場となり、松次郎は倒されたのだった。

基本的なパターンはこれまでのシリーズに準じているが、お馴染みの名前の人物の設定を変えて物語を構成しているだけに、これまでの作品に馴染んでいると「あれっ?」という気になってしまう。(それほど、本シリーズではパターンが定着していたと言うことである。)が、これは予備知識がありすぎることからくるものであって、それを忘れてしまえば特に問題になることはない。よく見ると、タイトルに「新」の文字があることに気づくが、そういうことでした。

ただ、前作から1年というブランクが遭っての新作は、特に必要なかったと思う所でもありましたが...

本シリーズは、シリーズの予定がなかったのに、最初の作品がヒットしたことから続編が作られ、更にシリーズ化されたということになったため、シリーズ化された後は本当に判を押したようなパターンを組み合わせて作られている。それだけに、そのパターンに馴染んでいる間は良いのだが、飽きてしまえば、単に本数を重ねただけでどうでも良いような作品ばかりと言うことになってしまう。(ビデオソフトが前作無くても全く問題無いということになる。)割り切っていればそれなりに楽しむことが出来るという作品で、少しでも粗に気づいた時点で卒業するべきシリーズでした。

 

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