SSブログ

「WILD STYLE」 [映画(洋画)]

表題の作品は1982年のアメリカ映画「ワイルド・スタイル」である。日本での劇場公開は1983年10月であった。ニューヨークで生まれたラップ/ヒップホップ音楽を紹介したドキュメンタリー風の作品である。また、'70'sのニューヨークの文化を知るにも参考となる作品でもある。

作品データを記しておくと、時間は82分、製作、監督、脚本はチャーリー・エーハン、撮影はクライヴ・デヴィッドソンとジョン・フォスターの2人、音楽はフレッド・ブラザウェイトとクリス・スタインの2人である。そして出演は、リー・ジョージ・クイノーネス、フレッド・ブラザウェイト、パティ・アスター、サンドラ・ピンク・ファーバラ、リー・クノネス、レディ・ピンク、たちである。

'70年代のニューヨーク・ブロンクス。無人になったビルや瓦礫の山が街中にあり、若者たちは将来の不安を抱えてくらしていた。中には喧嘩や暴力にはけ口を求める者もいたが、レイモンドはそういう不安や不満をグラフィティにぶつけていた。「グラフィティ」と言うと聞こえは良いが、要するにこれはスプレーを使った落書きであり、不法行為である。そのため、彼は夜の地下鉄操車場に忍び込み、素早く仕上げ、「Z0R0」というサインをすると、素早く逃げていた。やがて、彼の描くグラフィティは、色遣いとデザインの奇抜さで注目されるようになる。そのため、彼の落書きの作風を真似た輩も出てきた。しかし、彼は、自分が「Z0R0」と言うことを完全に秘密にしていて、恋人のローズすらそのことを知らなかった。ある日、レイモンドは、先輩であって現在はラップ音楽のディスコを経営するフェイドに、何人もの新人アーティストを世の中に紹介している新聞記者・ヴァージニアに紹介された。そして音楽に関する仕事を依頼された。それ以来、レイモンドはグラフィティに時間を裂くことが出来なくなるが、グラフィティの魅力に惹かれている彼は悩む。そんな中、フェイドは野外音楽堂で開催されるラップ・コンサートの運営をすることになり、レイモンドに、会場の壁に何かを描くように依頼した。しかし、Z0R0の作風との間で悩み、上手く描くことが出来ず、更に悩むことになる。そんな彼を支えたのはローズであった。彼女はレイモンドがZ0R0だと言うことを知っていた、と言うと、その作分ら縛られているんじゃない、と励ました。それによってレイモンドは吹っ切れたようで、フェイドの仕事を果たした。コンサートの当日、ラップ音楽のスターたちが集い、会場は大いに盛り上がる。レイモンドは壁に大きな人間の手を描いていて、その手がスターたちを抱きかかえているかのようであり、会場の興奮は頂点へと湧いていき、レイモンドも舞台に上がり、興奮の中にいた。

'70'sのニューヨークで生まれたラップ/ヒップホップは、黒人コミュニティの中から生まれたものである。その背景を語ったものはあるものの、ジャズやロックンロール、更にはそれらの中の一分野などの誕生秘話などに比べると語られることが実に少ない。それだけに、本作は貴重なものである。

特に、ラップ/ヒップ・ホップが音楽の一ジャンルとして定着している現在、そのジャンルの音楽をよく聴くという方は、音楽の歴史を知るためにも見ておいても宜しいかと...

 

WILD STYLE [DVD]

WILD STYLE [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジャパンミュージックシステム
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。