「WUTHERING HEIGHTS」(1970) [映画(洋画)]
表題の作品はE・ブロンテの有名小説「嵐が丘」の(通算で3度目となる)映画化作品である。本作は1970年のアメリカとイギリスの合作となっていて、評価も比較的高い1本である。芝居の出来るキャスティングということで、人間ドラマをたっぷりと見せてくれる。また、ヒースクリフは後に4代目J・ボンドを襲名するティモシー・ダルトンということで、後に再注目されることにもなった作品である。尚、本作の日本での劇場公開は1971年7月であった。
作品データを記しておくと、時間は105分、原作はエミリー・ブロンテ、監督はロバート・フュースト、脚本はパトリック・ティリー、撮影はジョン・コキロン、音楽はミシェル・ルグランである。そして出演は、アンナ・カルダー・マーシャル、ティモシー・ダルトン、ハリー・アンドリュース、ヒラリー・ドワイヤー、パトラ・ブラウン、ウェンディ・オルナット、ピーター・サリス、イアン・オギルビー、ジュリアン・グローヴァー、ヒュー・グリフィス、たちである。
北イングランド、孤児だったヒースクリフは地元の有力者であるアーンショーに拾われ、彼の息子同然に育てられた青年である。そして血の繋がらない妹・キャシーのことを小さい頃から愛していて、永遠の愛を誓い合う仲であった。が、アーンショーが無くなったことで状況が一変した。新しい主人となったキャシーの兄・ヒンドリーは、父に愛されていたヒースクリフを憎み、下男にしてしまった。しかし、ヒースクリフはそんなこともキャシーの愛で救われていた。しかし、そんな日々も、キャシーが近隣に住むリントン家のエドガーと出会ったことで変わってしまう。キャシーはエドガーに心を奪われたのだった。しかし、キャシーはエドガーの裕福なエドガーの金を利用して、ヒースクリフを救うという考えももっていた。が、そんなことを知らないヒースクリフは裏切られたと思い、絶望と怒りで嵐が丘を去って、都会に出て行ってしまった。それから3年、ヒンドリーの生活は荒れていて、キャシーはエドガーの妻になっていた。そんな嵐が丘に、都会で成功したヒースクリフが立派な身なりで現れた。そして、ヒンドリーの身代を手に入れていく。そしてエドガーの妹・イザベラを妻にした。ヒースクリフの復讐は留まることを知らず、キャシーは身重の状態で病に倒れてしまい、魘されながらヒースクリフの名前を呼んでいた。そんな中、酒に酔ったヒンドリーがヒースクリフを撃ち、重傷を負ったヒースクリフは、最後の力を振り絞って、キャシーと2人だけの秘密の場所に向かった...
英米合作ということで力の入った作品であり、作品としてはじっくりと描かれている。ただ、作品としては俗っぽい表現に傾いている所があって、この点が賛否の分かれる所になっているのも事実である。これを表現の一つと捕らえるか、過剰な演出と捕らえるかは各自の自由であるが、賛否両論がある所が残念な所でもあった。
1939年の「名作」と呼ばれている作品は白黒であるが、本作はカラー作品でもあるので、見やすさもあるので、「嵐が丘」の映画作品を見る場合は見る選択肢に入れておくべき作品である。(が、本作はかつてはLDでリリースされていたが、現時点ではDVD化されていないので...)
↓本作のソフトがないので、原作小説を拾っておきます。
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