「WUTHERING HEIGHTS」(1992) [映画(洋画)]
表題の作品は、1992年のイギリス映画の「嵐が丘」である。これが6度目の映画化と言うことになる。これまでの中で最も原作に忠実な「嵐が丘」と言われている作品である。(が、「それだけ」で、評価としては高くないのも事実である。)
作品データを記しておくと、日本での劇場公開は1993年7月、時間は105分、原作はエミリー・ブロンテ、監督はピーター・コズミンスキー、脚本はアン・デヴリン、撮影はマイク・サウソン、音楽は坂本龍一である。そして出演は、ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ、ジャネット・マクティア、サイモン・シェパード、ソフィー・ウォード、ジェレミー・ノーサム、ジェイソン・リディングトン、シンニード・オコナー、たちである。
イギリス・ヨークシャーに嵐が丘と呼ばれる丘があり、そこにはアーンショーが農場を経営していた。彼には息子・ヒンドリーと娘・キャシーがいた。ある日、アーンショーはジプシーの孤児・ヒースクリフわ連れて来て、自分の息子と同様に育てる。やがて、アーンショーが死に、ヒンドリーが後を継ぐ。するとヒンドリーはヒースクリフを下男として冷たく扱う用になった。しかし、ヒースクリフは美しい娘に成長したキャシーが心の支えになっていて、互いに愛し合っていた。しかし、ある日キャシーは、近くの裕福なリントン家のエドガーと出会い、心を惹かれた。そして、エドガーからの求婚を受けた。ヒースクリフはキャシーに裏切られたと思い、復讐を誓って嵐が丘を去った。数年後、都会で事業を始めていたヒースクリフは成功し、立派な紳士としてキャシーの前に姿を現した。そして彼は衛士ガーの妹のイザベラと結婚した。その後、キャシーは娘・キャサリンを生むと死んでしまう。やがて、キャサリンは美しく成長し、ヒースクリフの息子・リントンと結婚したが、まもなくリントンは病死ししてしまう。アーンショーの家には下男のように使われていたヘアトンがいて、キャサリンはヘアトンと良い関係になっていた...
本作の特徴は、語り部がいる所である。こういう演出はなかなか面白いところである。が、作品としては原作に忠実ということを意識しすぎていて、本作の映画としての存在の必要性を感じることが出来ないのが残念である。(原作に忠実であるだけに、これはポイントになり得るのだが、それだけでしかなく、他にこれという所が無いので、原作小説を読めば十分ということである。)
強いてポイントとなる所を考えると、坂本龍一の音楽ぐらいでしょうかね。それだけに、実に残念な映画化でした。(時間的には1970年の作品とほぼ同じであるので、そちらを見るべきです。)
↓本作を見るなら、こちらを読んだ方が...
Wuthering Heights―嵐が丘 (ラダーシリーズ)
- 作者: エミリー ブロンテ
- 出版社/メーカー: IBCパブリッシング
- 発売日: 2010/05
- メディア: 単行本
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