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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その213) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「音声テープ」です。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「・19話」を、「007」からは「ロシアより愛をこめて」です。(「007」では音声テープ(オープンリール)を使っている作品が、初期作品では殆どであるのだが、その中からの1作です。)

ケータイ刑事」:「・19話」。「みんなは聴いていた ~ラジオ公開生放送殺人事件」という物語。劇中で五代さんの過去として、DJの試験を受けていた(当然のように落ちている。)という過去が明らかになった物語でもある。

ラジオの生放送中に出演者の1人が殺されたということで、放送局に向かったちゃんと五代さんは捜査を開始する。しかし五代さんがいい格好をして、ちゃんのことを助手と言い、更にその番組の放送時間中に犯人を逮捕すると豪語した。(が、いつものように頓珍漢な推理で、混乱させるだけだった。)

ちゃんは副調整室で独自に捜査を進める。そんな中、鑑識の柴田さんが、事件が起こった番組の放送を録音したテープ(オープンリール)をセットして、再生を開始する。最初は番組スタートの所を再生する。少し再生すると、「もっと先」と言って再生を止めて、テープを早送りする。そして問題の事件が発生した時刻(番組開始から20分後)の所を頭出しすると、再び再生を始めた。

ちゃんはそれを聴いていて、同じギャグは二度と言わないという被害者が、番組の冒頭で口にした同じギャグを言ったことから、事件の全貌に気づいた。

犯人は、そのラジオ番組に出演している5人とディレクター1人の6人ということで、6人が共謀しての犯行だった。実際の犯行時刻は20分後ではなく、それよりも早い時刻であって、スタジオにいた5人が順番に刺し、その後で被害者をトイレに運んだのだった。そして、出演者の1人が被害者の物真似をして、犯行時刻を誤魔化したのだった。物真似をしたタレントは「そんなに似ていなかったか?」と問うが、ちゃんはそんなことではなく、同じギャグを言ったことから疑問を持ったのだった。そして、被害者と物真似の声の声紋分析の結果、物真似であったこと(=別人の声)と言うことが証明されたのだった。

尚、この物語は2003年のものである。音声を録音する装置としては、既にICレコーダーが中心になっていて、磁気テープを用いたものは少なくなっていた。が、この物語の舞台はラジオ放送局ということで、業務用という特殊な分野である。オープンリールは編集作業を行う際、テープを物理的に切断/接合することで行うため、アナログ記録であるが、音質劣化の全くない編集が可能である。また、オープンリールはカセットと比べて長時間の録音が可能である。(テープ速度はカセットよりも速いが、同等に落とすことも可能である。)番組チェックのために録音をしているのは当たり前であるが、21世紀に入っているのだから、やはり時代遅れであるとしか思えないのですがね...

007」:「ロシアより愛をこめて」。1963年のシリーズ第2作で、初代ボンドの第2作である。前作のヒットで製作費が一挙に10倍になって、大作として封切られることになったシリーズ最初の作品であって、シリーズの人気を決定づけたヒット作品である。(第1作は、実は低予算作品であった。)

イスタンブール在住のソ連情報部・暗号係の女性・タチアナ・ロマノワ(=ボンドガール)からボンドに対して亡命したいと言う話がイギリス情報部に届く。ボンドがエスコートすると言うことを条件に、暗号解読機レクターを持ち出すと言う。罠であるかも知れないと言うことを認識しながらも、ボンドは暗号解読機を手に入れるため、イスタンブールに飛んだ。

情報を収集していく中で、ボンドはロマノワと接触して、レクターに関する情報を得ようとする。ボンドはカメラ(ローライフレックスTタイプ2)に仕込まれたテープレコーダー(当然、オープンリールである。→本作は1963年の作品であって、コンパクトカセットは1962年に製品化されているが、当時はフィリップスの独自規格のものであって、カセットを用いた音声録音テープの1方式でしかなかった。後に特許を無償公開したことで。事実上の統一規格になったが、本作製作時はまだ殆ど知られていなかった。)を用意していて、イスタンブールでアジアと欧州の連絡船の中でロマノワと会い、観光客を装って彼女の写真を撮影するふりをして、レクターに関する質問をした。(その会話は一部始終録音された。)

その時の話ほ録音した小型のオープンリールのテープはイギリスの本部に届けられ、Mをはじめ関係者たち(Mの秘書であるミス・マネーペニーもその中にいた。)がそれを聴いて、レクターが本物かどうかを判定しようとしていた。ボンドの質問はレクターがどういうものか、特徴を問い糾すものであり、ロマノワはそれに答えていく。しかし、彼女の回答は。レクターの話に集中しておらず、ボンドとの密会について、誘いの言葉が出てきて何度も脱線する。その都度「仕事優先」と言って質問に答えさせるボンドだった。

そんなこともあって、Mはマネーペニーに退席させるため、途中でテープの再生を止めて、席を外させた。が、体質したマネーペニーはいつもの秘書席に戻ると、Mとの連絡用のインターホンのスイッチを入れて、再生されるテープの続きを聴いていた。しかし、Mもそのことは承知していて、(ボンドに対しての回答を)電報を送るように依頼して、それ以上を聴かせないようにした。

MI-6は、ロマノワの話から、レクターに関する詳しい情報(仕組みや構成など)を得ると共に、これまでに得ていた情報とロマノワの語った情報と大きな相違点が無いことから、ロマノワが持ちだそうとしているものは本物のレクターであると判断した。そしてボンドに対して、レクターを手に入れる作戦を続行するように伝えた。

尚、この物語は1963年の製作であるため、当時の音声記録装置というと、テープを使ったもので、オープンリールというのは当たり前である。ただ、一般的にはリールは5号(5インチリール)、7号(7インチリール)、10号(10インチリール)である。この物語でボンドが使っていたものは、カメラを装った小さなボディに収まるものであるため、大きくても2インチ程度と思われる。(画面を見た感じから。)このサイズであれば、当然のことながら特殊仕様ということになる。則ち、現在では古ぼけたものにしか見えないオープンリールであるが、当時としたらMI-6の誇る頭脳・Qが開発した小型のもので、先端技術の結晶ということになる。

共通点は、オープンリールを用いた録音装置を使っているということ再生中に一端止めているということ複数の人間がその再生音を聞いていたということ、そしてそれを聴いていた人は事件に関する情報を得た(「ケータイ刑事」では愛ちゃんが犯人に繋がるヒントを得て、「007」ではMが暗号解読機レクターに関する詳細情報を得ている。)ということである。

相違点は、「007」では時代を先行するような当時としたら先端の小型化された最先端の装置を用いていたが、「ケータイ刑事」では時代遅れの大型の装置を用いていたということである。(「オープンリールの録音装置」ということでは共通しているが、使用時の時代背景と装置の技術水準を考えると、対極に位置することになる。)

次回も「ある物」をテーマとして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

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