SHEENA EASTON『MADNESS, MONEY & MUSIC』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼女の3rd.アルバムである。(邦題は、このアルバムからのヒット・シングルに合わせて「マシーナリー」と付けられていた。→芸のなさすぎる安直な邦題である。)'80's初頭に彗星の如く現れた歌姫もサードになるということで、女性シンガーとしての味が出てきたアルバムとなり、ファンの間では彼女の最高傑作という声のあるアルバムである。(が、セールスの点では伸び悩んだ。→内容とセールスは直結していないと言うことを証明するアルバムの一つとしても知られている。)チャート成績は、日本が5位、カナダが32位を記録し、共にゴールドディスクを獲得しているが、アメリカでは最高位32位、本国イギリスでは99位に留まっている。
収録曲はUの盤とUS盤とで異なっていて、UK盤は全12曲、US盤は全10曲であった。UK盤の収録曲は以下の通りである。『Weekend In Paris』『Are You Man Enough』『I Wouldn't Beg For Water』『Machinery』『Ice Out In The Rain』『I Don't Need Your Word』『Madness Money And Music』『There When I Needed You』『Wind Beneath My Wings』『You Do It』『In The Winter』『Please Don't Sympathise』。
また、現在のUS盤では3曲のボーナス・トラックが追加されて全13曲になっている。(10曲の方もUK盤とは曲順も異なっている)US盤の収録曲は以下の通りである。『Machinery』『Weekend In Paris』『I Wouldn't Beg For Water』『Are You Man Enough』『Ice Out In The Rain』『Madness, Money And Music』『The Wind Beneath My Wings』『There When I Needed You』『In The Winter』『You Do It』(以下、ボーナス・トラック)『Some Of Us Will』『Loner』『So We Say Goodbye』。
この中からシングル・カットされたのは4曲である。『Ice Out In The Rain』と『Are You Man Enough』
はチャートインするようなヒットしなかったが、『Machinery』がイギリスで38位、アメリカで57位、日本で52位を記録し、『I Wouldn't Beg For Water』がアメリカで64位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットした『Machinery』、シングル曲の『Ice Out In The Rain』と『I Wouldn't Beg For Water』、それ以外からは『Weekend In Paris』と『In The Winter』、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Madness Money And Music』をピックアップしておく。
サウンドの方はバラエティに富んでいて、ポップで聴きやすいもの、ロック・テイストのもの、しっとりと聴かせるバラードなど幅が広く、シンガーとしての表現力が更に豊かになっている。シンガーとしては一段と上手さを感じることになったことが評価されているが、大人の鑑賞に堪えることに目が剥いたため、ポップなテイストは控えめになったことがセールスで苦戦することになってしまった...
内容の方は充実していて、もっと高く評価されても良いアルバムである。たっぷりと聴かせてくれるだけに、じっくりと聴くには良いアルバムであり、じっくりと聴きたいアルバムの一つでもある。
コメント 0