「快傑黒頭巾」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第53弾として取り上げる作品は「快傑黒頭巾」シリーズです。この作品は雑誌「少年倶楽部に連載された」高垣眸の小説の映像化作品であり、後に複数回にわたってTVドラマ化もされていることでも知られている作品である。映画シリーズは東映(京都)が手掛けたシリーズであって、本作シリーズの初めての映像化作品ということになって、1953年から1960年の間に全部で9作が製作されている。(人気シリーズとなったのは言うまでもない。)また、スタート時は白黒作品であったのだが、人気シリーズとなったこともあって、1958年のシリーズ第7作からはカラー作品となって、一段と娯楽作品としてスケールアップしている。
主演は大友柳太朗であるが、彼は1965年に本作がTVドラマ化されたときも演じているが、本作は彼の代表作の一つになったシリーズでもある。
舞台は幕末の動乱期で、主役となる黒頭巾も討幕派の一人一人として描かれていて、幕府や新撰組と対立していく戦いが見所となっている作品でもある。(体制に反旗を翻すところが時代のヒーローとして描きやすいところでもありますが...)
また、もう一つの本シリーズのポイントは、黒頭巾が七変化を魅せるというところである。当時の七変化というと「多羅尾伴内」シリーズがあるが、奇しくも1953年は「多羅尾伴内」シリーズの第5作「多羅尾伴内シリーズ 片目の魔王」が5年ぶりに復活した年でもある。(その後、本シリーズと同様に1960年までの間に7作が製作されている。)で、その多羅尾伴内を意識した所があるのも面白い所である。
また、西部劇の要素を取り入れたチャンバラ・アクションという所も見所の一つとなっていて、娯楽作品として楽しむことの出来る要素がたっぷりと入っている作品となっている。(少年層を中心に大人気を獲得したのは言うまでもない。)
今回は初回ということで、各シリーズ作品のおさらいということで、各シリーズ作品のタイトルを記しておく。
シリーズ第1作「快傑黒頭巾」(1953年)、シリーズ第2作「快傑まぼろし頭巾」(1954年)、シリーズ第3作「御存じ快傑黒頭巾 マグナの瞳」(1955年)、シリーズ第4作「御存じ快傑黒頭巾 第二話 新選組追撃」(1955年)、シリーズ第5作「御存じ快傑黒頭巾 危機一発」(1955年)、シリーズ第6作「御存じ快傑黒頭巾 神出鬼没」(1956年)、シリーズ第7作「快傑黒頭巾」(1958年)、シリーズ第8作「快傑黒頭巾 爆発篇」(1959年)、シリーズ第9作「危うし!快傑黒頭巾」(1960年)。
尚、第1作と第7作は同名タイトルであるが、第6作までが白黒作品であったのだが、第7作からカラー作品となり、改めてということになったためである。(物語はリメイクということではなく、全く別ものである。)
次回から、第1作から年代順にそれぞれの作品についてを記していくこととします。
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