TELEX『LOOKING FOR ST. TROPEZ』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。日本盤では「テクノ革命」という邦題が付けられていたアルバムである。彼らは日本では余り紹介されないベルギー出身であるが、テクノを世界に知らしめることになるYMOに影響を与えたシンセ・ポップのユニットである。そのため、特定の音楽ファンの中では神様の様な存在として知られているユニットでもある。また、ハウス・ミュージックの原点となったユニットでもある。
オリジナル盤の収録曲は全9曲であったが、1994年の日本版では2曲のボーナス・トラックが追加された全11曲になり、2003年に再発された時には更に3曲のボーナス・トラックが追加されて全14曲の収録となった。収録曲は以下の通りである。『Moskow Diskow』『Pakmoväst』『Café De La Jungle』『Ça Plane Pour Moi』『Some Day/Un Jour』『Something To Say』『Rock Around The Clock』『Victime De La Société』『Twist Á Saint Tropez』。(以下、1993年版のボーナス・トラック)『Moskow Diskow (maxi)』『Le Fond De L'Air Est Rouge』。(以下、2003年版の追加ボーナス・トラック)『Victime De La Société #1』『Quelque Chose A Dire』『Ave Fifi』。
この中からは『Moskow Diskow』がシングル・ヒットを記録していて。彼らの代表曲となっている。
お薦め曲は、彼らの代表曲である『Moskow Diskow』、それ以外からは『Pakmoväst』『Café De La Jungle』『Something To Say』『Rock Around The Clock』と言う所をピックアップしておく。
現在では一般的に使用されているシンセサイザーであるが、本アルバムは、まだ未来的な雰囲気がする楽器であって、「電子楽器」などと呼ばれていた時代である。また、単にシンセサイザーを取り入れたサウンドとするのではなく、フレンチポップスと融合させたため、実に親しみやすいサウンドとなり、ヒットすることになった。で、ポップな部分は後に「エレポップ」/「シンセポップ」と呼ばれる音楽に繋がっていくことになる。また、テクノというジャンルを築き上げることになるYMOにも影響を与えている。
彼らの曲自体は、ヒットの規模と言うことでは特筆されるようなおおきなものではないが、後に与えた影響の大きさや、確立することになる音楽ジャンルを考えると、もっと高く評価されるべきである。本アルバムはそんな彼らの最初のアルバムと言うことで、彼らのキャリアを語る上でだけでなく、'80'sサウンドに多大な影響を与えることになっているアルバムである。ということで、テクノ、ハウスを聴く方は当然であるが、'80'sに花開くシンセサイザーを取り入れたポップなサウンド(所謂「エレポップ/シンセポップ」)を聴く方は、その音楽の原点ということで、聴いておきたいアルバムである。
発表から既に30年以上の歳月が流れているが、現在でも通用するようなセンスが感じられるサウンドでもあるだけに、思いもよらない新発見もあるかもしれませんよ。
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