「ZEBRAHEAD」 [映画(洋画)]
表題の作品は1992年のアメリカ映画「ゼブラヘッド」である。(洋楽ファンであれば、同じ名前のバンドが存在することはご存知でしょうが、そのバンドとは一切関係ない。→そもそもロックバンドのZEBRAHEADは1996年の結成であって、本作の方が先である。)日本では劇場未公開であり、BSで放送されたときには「デトロイト・ブルース/青春のかがり火」というタイトルになっていたこともあって、余り知られていないが、あのO・ストーン監督が製作総指揮を務めた作品である。
アメリカが抱えている人種問題について、ある高校で起きた事件を通して描いた作品であって、こういう所は「社会派」と呼ばれているO・ストーンが絡んでいる所を感じさせてくれる仕上がりになっている。
作品データを記しておくと、時間は102分、製作総指揮はオリヴァー・ストーン、監督と脚本はアンソニー・ドレイザン、撮影はマリス・アルベルチ、音楽はタジ・マハールである。そして出演は、マイケル・ラパポート、デショーン・キャッスル、アンブシュ・ライト、ポール・バトラー、ヘレン・シェイヴァー、レイ・シャーキー、ジョン・セダ、ダン・ジスキー、たちである。
ユダヤ系のザックは高校生である。ある日、彼の通う学校にニッキーという黒人の生徒が転校してきた。まもなく、ザックとニッキーは恋に落ちるが、ニッキーの両親はザックが黒人ではないことで冷たい反応をする。また、周囲の友達もザックとニッキーに対して冷たい態度を取るようになっていく。そしてニッキーもザックも、それぞれのこれまでの友達からもつまはじきにされていく。そして、ニッキーを慕っていた黒人少女のナッツニッキーを射殺してしまった...
アメリカには昔から根強い人種問題が残っているが、それをベースにして、これも何かと問題となる銃所持問題を絡めている所は社会派作品らしいところである。途中までは周囲から反対される禁断の恋の物語(どこかに「ロミオとジュリエット」を意識しているようですね。)のような様相で進んで行くのだが、一発の銃声がそれを変えてしまう。この演出は、たった一発で世界が変わってしまう銃の問題を上手く描くことにも繋がっていて、なかなか上手いところである。
ただ、物語のテンポということでは歯切れの悪さもあるのも事実である。そういう所とも理由の一つであろうが、日本ではちょっと刺激が強すぎるということで劇場未公開になったのでしょうね...(ビデオではリリースされたがLDはリリースされず、BSの放送もJSB時代のWOWOWでの放送でした...)
↓ビデオです。(日本版と輸入版です。)
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