TIM BUCKLEY『TIM BUCKLEY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1966年に発表された彼のデビュー・アルバムである。サウンドが大きく変わり、その可能性を感じさせたものの、ドラッグによって早世した彼の記念すべきデビュー・アルバムである。ヒットを記録することはなかったものの、彼のキャリアでは重要なアルバムであるのは言うまでもなく、本アルバムでは'60'sらしいフォークを中心とした聴きやすいものに仕上がっている。
収録曲は以下の全12曲である。『I Can't See You』『Wings』『Song Of The Magician』『Strange Street Affair Under Blue』『Valentine Melody』『Aren't You The Girl』『Song Slowly Song』『It Happens Every Time』『Song For Jainie』『Grief In My Soul』『She Is』『Understand Your Man』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。いずれもチャートインをするような大ヒットにはなっていないものの、将来性を感じる佳曲でもある。尚、1st.シングルは『Wings』、2nd.シングルは『Aren't You The Girl』の順でリリースされている。
お薦め曲は、シングル曲の『Wings』と『Aren't You The Girl』、それ以外からは『I Can't See You』『Song Slowly Song』『Song For Jainie』という所をピックアップしておくピックアップしておく。
内容的には、派手な所が無く、地味なフォーク・アルバムであるのだが、シンガーとしての表現力は非凡な所を感じさせるだけのものがあって、心に届くボーカルを聴かせてくれている。ただ、以後のアルバムでは曲のジャンルが変わっていくだけに、ボーカル・ファンにとったら、このままボーカル路線で進んでいたら、と思うと残念に思うところがあるのも事実である。とはいっても、ボーカルがお好きな方にとっては、サウンドの方も聴きやすいフォーク調のものであるので、特に違和感を抱くことなく、安心して聴くことが出来るものである。
ということで、シンプルなボーカルがお好きな方、フォークがお好きな方には二重丸でお勧めしたい佳作アルバムである。
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