「日本沈没」(1973) [映画(邦画)]
今度は、日本を代表するSF小説家である小松左京の訃報が届きました。ということで、氏の作品の中から映画化された作品について、何本かを追悼の意味を込めて記すことにします。(これで「SF御三家」と呼ばれた3人の中で存命なのは筒井康隆だけということになってしまいました...)謹んでご冥福をお祈り致します。
最初に記す作品は、2度の映画化と、TVドラマ化もされている彼の代表作である日本SF映画の金字塔である、1973年版の「日本沈没」です。テレビで、小松先生の作品の何かを追悼放送することがあるでしょうが、現状を考えたら、流石に本作を追悼放送するということは無いでしょうね...
言うまでもなく、東宝が総力を結集して制作した大作であって、日本映画史に残るSF大作である。劇場公開は1973年12月(暮れ)であり、大ヒットを記録している。
作品データを記しておくと、1973年の東宝作品で、時間は140分、原作は小松左京、監督は森谷司郎、脚本は橋本忍、撮影は村井博と木村大作の2人、美術は村木与四郎、音楽は佐藤勝、特技監督は中野昭慶である。そして出演は、藤岡弘、いしだあゆみ、小林桂樹、滝田裕介、二谷英明、中丸忠雄、村井国夫、夏八木勲、丹波哲郎、伊東光一、松下達雄、河村弘二、山本武、森幹太、鈴木瑞穂、垂水悟郎、細川俊夫、加藤和夫、中村伸郎、島田正吾、角ゆり子、梶哲也、稲垣昭二、内田稔、大木史朗、吉永慶、宮島誠、大杉雄二、神山繁、高橋昌也、近藤準、竹内均、石井宏明、今井和雄、早川雄三、中條静夫、名古屋章、斉藤美和、大久保正信、アンドリュウ・ヒューズ、ロジャー・ウッド、大類正照、新田昌玄、小松左京、たちである。
2時間半弱の大作であるが、基本的なストーリーは結構簡単なものである。また、実際に科学者に取材して撮影された自然災害のシーンが大規模な特撮で撮影されていて、そこが見所でもある。(ただ、2006年にリメイクされた作品はCGでよりリアルな映像となっているが、本作には特撮魂による手作りの良さを感じることが出来る。)
海底調査で日本海溝の異変を察知した田所博士たち。更に、日本各地の休火山が噴火するということが起こり、日本政府は国民を最終的に国外へ脱出させる「D計画」をスタートさせた。また、追加調査によって、日本列島はそう遠くない間に海底に沈む、という推論を出した。更に、地震が頻発し、火山の噴火も続き、日本中はパニックに陥る。そんな中、D計画は進行していく。そして、火山噴火と地震の頻発で、遂に日本列島は水没していく... そういう自然現象が進行していく中、海底開発KKの深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫を主人公として、彼と彼の周囲の人間ドラマでもある。
2011/3/11以前であれば、本作はオールスター・キャストによるSF大作として、娯楽大作でもあり、また同時に自然災害の恐怖を描いた作品として、日本映画史に残る作品として語られたが、現在では東日本大震災の甚大すぎる被害を鑑みると、残念ながらしばらくは封印せざるを得ない作品の一つということになっているでしょうね...(WOWOWやスターチャンネル、CSのような有料放送ならばともかく、地上波での放送は「自粛」でしょうね...)
特撮部分に関しては、確かに時代を感じる所もあるが、色々と見るべき所もある作品であるだけに、ちょっと残念である。
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