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「快傑黒頭巾」(その4) [映画(邦画)]

今回は、3作品製作された1955年の作品群から、最初の2本(シリーズ第3作と第4作)ら2本についてです。劇場公開は、第3作は1955年4月、第4作は1955年8月であった。

シリーズ第3作御存じ快傑黒頭巾 マグナの瞳
作品データを記しておくと、1955年の東映京都の作品で、94分の白黒作品である。原作は高垣眸、監督は佐伯清、脚本は西条照太郎、撮影は吉田貞次、美術は桂長四郎、音楽は高橋半である。そして出演は、大友柳太朗、加賀邦男、喜多川千鶴、春日倶子、目黒祐樹、北見礼子、森田肇、日野明子、時田一男、神田隆、津村礼司、須藤健、大文字秀介、堀正夫、上代悠司、薄田研二、中野市女蔵、飯田覚三、富久井一朗、中野雅晴、葉山富之輔、恵川純子、たちである。

討幕派は外国から新しい武器を購入することに躍起となっていた、一方、幕府も長崎奉行を交代させて、外国から武器を買うことに力を入れる。窓口となるのはオランダ人のバーレという男であって、彼は武器を売る条件として、「マグナの瞳」と呼ばれる世界一の青いダイヤと引き換えという、この「マグナの瞳」は長崎の何処かにあるというのである。これを聞いた前長崎奉行の松川河内守は私腹を肥やすため、その在所を知るという有馬屋夫婦を密かに捕え、拷問をした。一方、松川に捕らえられた弟を救うために松川に力を貸すことにしたおらんだお蝶は、有馬屋の子供である姉弟をおびき出していた。有馬屋の父は拷問で殺され、母は子供が責められるのにたまりかねて白状しようとした時に、新しい奉行の配下の者が現れ、更に黒頭巾も参上して子供たちを助けていった。松川はその時の争いで死に、おらんだお蝶は有馬屋の母を連れて新奉行に取り入ろうとする。黒頭巾は牢に入れられた有馬屋・母に薬を渡し、それを飲んで仮死状態となった母は死んだと判断され、埋められ、それを黒頭巾が救い出した。意識を取り戻すと黒頭巾にマグナの瞳の在処を語った。それは奉行所に没収された観音像の中に隠してあるということだったが、その観音像は既にバーレの手に渡っていた。(バーレはまだマグナの瞳があることは知らない。)お蝶は観音像を盗み出して隠した。黒頭巾、奉行が観音像を巡って争う中、お蝶が裏切ったと思った奉行はお蝶を斬ろうとした。それを黒頭巾が助けた。しかし、その好きに奉行は観音像を奪い、バーレの元に行き、観音像を渡した。しかし、そりバーレは黒頭巾が変装したニセモノのバーレだった。で、マグナの瞳を手に入れた黒頭巾はマグナの瞳をバーレに渡し、討幕派は新しい武器を手に入れた。翌年、江戸に向かう討伐軍の中には頭巾を外した黒頭巾の姿もあった。

娯楽作品と言うことでは、マグナの瞳の争奪戦を軸にしているため、入り乱れてということで上手くまとめられている。但し、一部にはちょっとマヌケとしか思えない所もあるのだが、そういう所はご愛敬と言ったところですかね...また、ツッコミ所がある作品の方が色々と楽しめると思えば、娯楽作品としては十分合格である。

シリーズ第4作御存じ快傑黒頭巾 第二話 新選組追撃
作品データを記しておくと、1955年の東映京都の作品で、83分の白黒作品である。原作は高垣眸、監督は内出好吉、脚本は西条照太郎、撮影は三木滋人、美術は川島泰三、音楽は小沢秀夫である。そして出演は、大友柳太朗、喜多川千鶴、千原しのぶ、加賀邦男、丘さとみ、堺駿二、片岡栄二郎、本松一成、水野浩、高松錦之助、神田隆、山口勇、清川荘司、津村礼司、澤村國太郎、大丸巖、原京市、楠本健二、富久井一郎、時田一男、上代悠司、中野市女蔵、荒木忍、青柳竜太郎、堀正夫、尾上華丈、たちである。

幕府は、薩長の討幕派を潰すために、大坂に新撰組を迎え、討伐派の軍資金運搬を襲う。が、そこで運ばれていたのは軍資金ではなく、単なる石の塊だった。これは黒頭巾の策であって、彼は曲芸一座の美津次一座に潜り込んでいて、そこを通して新撰組の動きを掴んでいて、それを利用していたのだった。そんな中、黒頭巾を名乗る5人組が天満の分限者・吉兵衛の家に押し入り、藩御用金の調達のために来ていた郡山藩・妻木靭負と共に吉兵衛を殺した。靭負の子で新選組隊士の半四郎は吉兵衛の娘・お照を励まし、父の復讐を誓う。一方、討幕派の西郷隆盛は鴻池から京へ軍資金を運ぶことを黒頭巾に頼んだ。新撰組もこの動きを知ると、軍資金を運んでいると思われる山伏の一行を追い、その中に黒頭巾がいると知った半四郎も後を追った。そして新撰組が山伏一行を襲ったが、彼らが運んでいたのは鉛の固まりであって、軍資金ではなかった。またも新撰組は失敗したが、山伏一行とほぼ同時期に京の町に向かった美津次一座だったが、新撰組が一座かせ怪しいと気づき、美津次を責め、一座の荷物の中に軍資金が隠されているのを発見した。

遂に新撰組は討幕派の軍資金を抑えたが、黒頭巾が新撰組を追ってきて、鐘を取り返した。また、黒頭巾を仇と思っていた半四郎は、本物の黒頭巾によって本当の仇の相手を知ると、それを倒して仇を取った。

物語のスケールということでは前作よりも小さくなっているが、本作では黒頭巾を名乗る一味(=ニセモノ)に対する仇討ちという物語と共に進めていくことで、それを補い、娯楽作品としてまとめている。娯楽作品としたら、十分楽しめる作品である。

 

↓ビデオですが...

御存じ 快傑黒頭巾 マグナの瞳 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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御存じ快傑黒頭巾(第2話)新選組追撃 [VHS]

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ネットでも一部ですがありました。

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