「俾鬼捉」 [映画(洋画)]
表題の作品は1986年11月に香港で公開された映画「ゴースト・キング」である。(英語でのタイトルは「THE GHOST SNATCHERS」)日本では封切りということにはなっていないが、1988年の「香港エンターテイメント映画祭'88」で公開されている。また、後にビデオでのみリリースされている。(LDはリリースされなかった。)香港映画らしいアクション作品で、オカルトの要素とアクションの要素に満ちたファンタジックなアクション作品であるが、製作に関してはちょっと曰のある作品でもある。(ショウ・ブラザースで製作していたが、製作停止となってゴールデン・ハーベストに移って製作されることになった作品である。)キャストやスタッフの名前から、日本で劇場未公開になったのが信じられないような顔ぶれが集まっているが、製作時の曰があるだけに、仕方なかったと言うことなんでしょうね...
作品データを記しておくと、時間は93分、監督はラン・ナイチョイ、脚本はレオン・フォンワー、撮影は關志勤、音楽は蘇振厚である。そして出演は、バリー・ウォン、ジョイ・ウォン、ジョイス・コウ、フォン・ツェイフェン、チャーリー・チャン、たちである。(撮影、音楽は読みが分からないので漢字のまま記しました。)
最新技術で建設された高層ビルのフォックス・センター。その場所は、かつては日本兵捕虜収容所があった場所だった。ビルでは華やかなパーティが行われていたが、ある女性が化粧室に行くと、突然壁から無数の手が伸びて、彼女の魂を抜き取った。そして彼女に「陰の星を持つものを皆殺しにしろ」と命じ、彼女をパーティ会場に戻した。一方、このビルで警備員として働いているアヘイは、恋人・アシュウが自分にゾッコンであったが彼女のやくざな兄が悩みのタネだった。アシュウはフォックスセンターで不思議な出来事が起こるという話を知ると、アヘイのことが心配になって、知り合いの美人霊媒師・レイに相談する。で、霊媒師は、フォックス・センターには強い霊気を持った幽霊が取り憑いていて、除霊しないとアヘイは死ぬ、と言った。フォックス・センターは、かつては日本兵の捕虜収容所があった土地であって、日本兵の霊が取り憑き、災いをもたらしているというのだった。で、レイを中心にアシュウやアヘイたちは除霊を行ったが、失敗してしまう。で、アヘイは思い切って霊界に足を踏み入れた。日本兵の霊は田中大佐の霊に率いられており、アヘイは田中大佐の霊と対決することになる。アシュウやレイの祈り、アヘイのアシュウを強く思う気持ちが田中大佐に通じ、霊との勝負に勝ったアヘイは事態を解決し、無事に戻って来た。
'80年代中頃の香港映画界では、幽霊を題材とした作品がヒットをしていて、本作もそんな流の1本である。(更に、本作の翌年に「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」が生まれることになる。)そういうことでは、当時の香港映画らしい展開の作品ということになる。(ヒットした作品があると、そのパターンを踏襲した作品が次々と製作されるというのも香港らしいところでもある。)
本作では、ヒロイン・アシュウを演じるジョイ・ウォンと、美人霊媒師を演じるジョイス・コウの美の共演というところがお楽しみである。娯楽作品と言うことではツボを抑えており、90分強という時間的にも見やすい作品であるので、見ておいて損のない作品ですね。
↓ビデオですが...
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- メディア: VHS
↓王祖賢ということで...
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