VAPORS『NEW CLEAR DAYS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。'70's終盤のUKの音楽シーンは、次々と面白いサウンドが生まれているが、彼らもそんな時期に現れたグループの1つであって、ポスト・パンクとして、モッズの影響を受けたポップなサウンドを聴かせるバンドである。キャッチーで親しみやすいサウンドで、世界的にヒットを記録した曲が生まれたものの、他にヒットする曲が生まれなかったことで、現在では一発屋として知られている。尚、本アルバムはイギリスでは最高位44位、カナダで41位、アメリカでは62位を記録している。
収録曲は以下の全11曲である。『Spring Collection』『Turning Japanese』『Cold War』『America』『Trains』『Bunkers』『News At Ten』『Somehow』『Sixty Second Interval』『Waiting For The Weekend』『Letter From Hiro』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングル(デビュー・シングルではない)の『Turning Japanese』が本国イギリスで最高位3位を記録したのをはじめ、豪州では1位、カナダで9位、アメリカでは36位を記録する大ヒットとなった。(が、結果的にヒットを記録したのはこの1曲だけとなって、一発屋となった。)2nd.シングルの『News At Ten』はイギリスでは44位を記録したが、他はチャートインせず、3rd.シングルの『Waiting For The Weekend』はチャートインしなかった。
お薦め曲は、彼らの代表曲である『Turning Japanese』と、シングル曲の『News At Ten』、それ以外からは『Cold War』『Bunkers』『Letter From Hiro』という所をピックアップしておく。
サウンドの方は、当時の新しいサウンドの流れを色々と取り入れているが、一言で言うと「パワーポップ」と言う言葉が一番近いようである。(「ニューウェーブ」に分類されるが、「ニューウェーブ」と言うと幅が広過ぎて...)また、特徴的なのはモッズの影響を受けた「モッズ・リヴァイヴァル」の流れを汲んでいるという所である。が、全体的にはキャッチーで聴きやすいサウンドである。
彼らは、バンドとしては長続きせず、1981年に2nd.アルバムを発表後に解散してしまうため、結果的に、『Turning Japanese』の一発屋ということになったが、1997年にNO USE FOR A NAMEがカヴァーしたことで再び注目された。これによって、一発屋である彼らでも音楽シーンに影響を及ぼしていたことが分かり、面白い所でもある。
兎に角、キャッチーなサウンドであるため、一度は聴いてみることをお勧めするバンドである。(短期で解散してしまったのが残念なバンドでもあることがよく分かりますよ。)
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