VIXEN『TANGERINE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1998年に発表されたアルバムである。彼女たちにしたら3枚目のアルバムと言うことになるが、本作は1991年に活動停止して以来、再結成しての復帰作である。但し、以前の時の4人ではなく、2人は新メンバーであり、バンドのロゴも変わっているので、名前だけ受け継いだ別バンドと考えるのが一般的である。'80'sに活躍した当時は、メンバー全員が実力のあるミュージシャンであり、更にルックスの方も良かったことから人気を集めたガールズ・バンドであり、1990年の2nd.アルバムは評価も高かった。それだけに、活動停止からの復帰というのは嬉しいところであった。
収録曲は以下の全12曲である。『Page』『Tangerine』『Never Say Never』『Peace』『Barely Breathing』『Bleed』『Stay』『Shut Up』『Machine』『Air Balloon』『Can't Control Myself』『Swatting Flies In Wanker County』。
お薦め曲としては、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Tangerine』、更に『Page』と『Barely Breathing』『Shut Up』『Air Balloon』という所をピックアップしておく。
ブランクがあること、流行りの音楽が'90's初頭と'90's後半とでは変わっていることもあって、サウンドの方もそれなりの変化が出ている。良く言うと円熟味が増したと言うことになろうが、メンバー・チェンジもあってか、纏まりということでは今一つであり、ハードなロックという所からキャッチー名サウンドという変化がロック・スピリッツを消してしまっているのが残念である。
そういうこともあって、'80's終盤のVIXENとは名前が同じの別バンドと考えておいた方が納得のいくところである。これはメンバーの半分が交代したことによる新生VIXENと、「昔の名前で出ています」のVIXENとの間で揺れる振り子のような状態になっているということでもあって、結局この復活は失敗だったと言うことになってしまう。
ということで、完全な転けたアルバムということになるが、部分的とはいうものの「昔の名前で出ています」アルバムということで、それなりには価値のあるアルバムでもあったと言っていいでしょうね。
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