「人生劇場」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第54弾として取り上げる作品は「人生劇場」シリーズです。この作品は、尾崎士郎の自伝的大河小説の映画化作品であって、戦前に映画化されたのをはじめ、戦後の1950年代に再び映画化されると、'60年代に入っていくつかの映画会社がこぞって映画化し、またその中から飛車角をスピンアウトさせたシリーズも生まれている作品である。何度も映画化されているため、製作年の違いがあるものの、見比べてみることが出来る作品でもあるため、作品を楽しむ以外にも色んな味方の出来る作品群でもある。(監督も主演も当然異なるため、それぞれの特徴を楽しむことも出来る。)
物語は、吉良から上京して早稲田大学に入学した青成瓢吉を主人公として、彼の青春とその後を描いた作品である。原作小説は「青春篇」「愛慾篇」「残侠篇」「風雲篇」「離愁篇」「夢幻篇」「望郷篇」の7作品があるが、この中で「残侠篇」は完全なフィクションであるが、他は自伝的な作品である。映画はこの中の一部の物語であって、これらの全ては1本の作品としては映像化されていない。
初回となる今回は、これまでに映画化された本シリーズのおさらいということで、映画化された順番にタイトルを記しておきます。
戦前の作品は日活の2作品がある。「人生劇場(青春編)」(1936年)、「人生劇場 残侠篇」(1938年)。前後の最初は東映の三部作である。「人生劇場 第一部 青春愛欲篇」(1952年)、「人生劇場 第二部 残侠風雲篇」(1953年)、「人生劇場 望郷篇 三州吉良港」(1954年)。続いて、東宝作品として「人生劇場 青春篇」(1958年)があって、'60年代に突入すると、大映作品の「新人生劇場」(1961年)、日活作品の「人生劇場」(1964年)、戦前の第1作の内田吐夢監督による東映作品の「人生劇場 飛車角と吉良常」(1968年)がある。'70年代以降は松竹作品の「人生劇場 青春篇 愛欲篇 残侠篇」(1972年)、'80年代の東映作品の「人生劇場」(1983年)がある。
また、'60年代に東映が飛車角をスピンオフさせたシリーズ化作品(全3作)として、「人生劇場 飛車角」(1963年)、「人生劇場 続飛車角」(1963年)、「人生劇場 新・飛車角」(1964年)がある。
次回から、年代順にそれぞれの作品についてを記していくこととします。
↓原作(一部ですが...)はこちら
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