WAYLON JENNINGS『OL' WAYLON』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1977年に発表されたアルバムである。1964年のアルバム・デビューから、'70's前半は年に複数枚のアルバムを発表し続けていただけに、24数枚目のスタジオ・アルバムになるのだが、それだけ数多くのアルバムを発表しているものの、彼の初めての全米TOP 20以内にランクインしたアルバムである。(結局、ベスト盤を含めて、本アルバムがチャート成績ではキャリア・ハイとなった。(セールスでは'70年のベスト盤がトップであった。)それだけに、彼の代表作と言って良いアルバムである。(尚、'90'sになって発表ペースが鈍っているが、1998年までに44枚のスタジオ・アルバムを発表し、2002年に亡くなっている。)
チャート成績の方は、Billboardのカントリー・チャートでは1位を獲得、アルバム・チャートでは最高位15位を記録し、1977年の年間アルバム・チャートでも67位にランクインしている。また、カナダでも最高位65位を記録している。
収録曲は以下の全11曲である。『Luckenbach, Texas (Back To The Basics Of Love)』『If You See Me Getting Smaller』『Lucille』『Sweet Caroline』『I Think I'm Gonna Kill Myself』『Belle Of The Ball』『Medley Of Elvis Hits: That's All Right/My Baby Left Me』『Till I Gain Control Again』『Brand New Goodbye Song』『Satin Sheets』『This Is Getting Funny (But There Ain't Nobody Laughing)』。
この中からシングル・カットされたのは『Luckenbach, Texas (Back To The Basics Of Love)』で、Billboardのカントリー・チャートでは1位を獲得し、ACチャートでは16位、HOT 100でも最高位25位を記録している。(彼のシングル曲の中では2番目の上位ポジションを獲得した曲となった。)また、カナダでもカントリー・チャートでは1位、総合チャートでも46位を記録している。
お薦め曲は、彼の代表曲の一つである『Luckenbach, Texas (Back To The Basics Of Love)』、そして『Sweet Caroline』『Till I Gain Control Again』『This Is Getting Funny (But There Ain't Nobody Laughing)』というところを、そしてプレスリーのカヴァー(メドレーである。)である『Medley Of Elvis Hits: That's All Right/My Baby Left Me』をピックアップしておく。
尚、34分半強という収録時間は、ポピュラー音楽アルバムとすると短いのだが、カントリー・アルバムということではこの時間は長い方に入る。収録曲は10曲というのが一般的であることを考えると、この当たりはカントリー・アルバムとしたらサービス度が高いということになる。(ポピュラー音楽アルバムであれば、あと1、2曲は追加して、40分程度にするのが標準ですが...)
カントリーと言っても、音楽的には幅が広く、彼のサウンドはカントリー・ロックに近いものであり、「アウトロー・カントリー」に分類されることもある。それだけに、ロックに近い所があるので、'70'sのカントリー系ロックやウエストコーストのロックに慣れ親しんでいると、違和感なく受け入れられるものである。(実に'70'sロックらしい音作りのアルバムである。)ということで、「カントリー」と言うことに捕らわれずに、ソフトロックがお好きな方、及びギターの音がお好きな方は聴いておくだけの価値のあるアルバムである。
泥臭さもあるが、そういう所が魅力のシンガーであり、雄大なアメリカを感じることの出来るアルバムでもある。じっくりと聴きましょう。
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