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「人生劇場」(その6) [映画(邦画)]

今回は、戦後に(当時の大手で)盛んに製作された作品の中から、1961年の大映作品について記します。劇場公開は1961年5月であった。タイトルに「新」の文字があるが、これは視点が原作と大きく違っていることから来ているものであって、原作は「青春編」である。

新人生劇場」(1961年)
作品データを記しておくと、1961年の大映作品で、時間は85分、原作は尾崎士郎、監督は弓削太郎、脚本は舟橋和郎、撮影は石田博、美術は山口煕、音楽は池野成である。そして出演は、藤巻潤、宮島健一、須藤恒子、三保まりこ、叶順子、浦路洋子、江波杏子、川口浩、笠智衆、石井竜一、渡辺鉄弥、村田英雄、森矢雄二、吉葉司郎、見明凡太朗、藤間紫、中条静夫、上田吉二郎、角梨枝子、ジェリー藤尾、志保京助、花井弘子、園敦子、松本幹二、沢田ゆう子、南利明、平井岐代子、由利徹、小山内淳、星ひかる、村田扶実子、たちである。

明治末期、金沢から上京した車嘉七は大望を抱いていた。彼は柔道三段、早稲田大学に入学することを目標にしていた若者で、新聞広告を見て、岡代議士の書生として岡邸に住み込むことになる。毎朝の犬の散歩を日課とした嘉七は、犬の散歩をしているときに、やはり犬の散歩をさせている馬切大五郎と知り合った。日々、勉強を重ねていた嘉七は、遂に早稲田に合格して、晴れて大学生となる。そして、岡の娘・千万子の友人・矢上俊江を紹介される。が、俊江は以前に彼が車中で見たことのある令嬢であり、2人は互いに強く惹かれるのを感じた。そんな嘉七は、岡夫人から、夫の女関係を調べるように命じられるが、余りにもくだらないこととして、愛想を尽かし、岡邸から暇を取って屋敷を出る。そんな中、嘉七は縁日で、早稲田に在籍している柳田棟作と知り合い、その仲間に加わった。更に、元早稲田の学生で、今では遊侠の世界に浸っている馬切大五郎と知り合ったり、柳田の恋の悩みを手助けしたりしていた。やがて、岡千万子の誕生日がやってきて、嘉七は招かれる。そしてそこで久しぶりに俊江と会うことができ、2人は浅草に行って楽しいひとときを過ごした。が、その翌朝、嘉七に「父危篤」の知らせが届き、金沢に帰る。が、父は帰らぬ人となり、幼い弟妹たちをはじめ、残された家族は寺の住職が面倒をみてくれることになり、嘉七は大学で勉強が続けられることになる。幼馴染みの友子が色々と力になってくれたが、そんなところに東京から俊江が訪ねて来た。が、嘉七は俊江に会わず、東京行の汽車に乗り、旅立っていった。

確かに、「人生劇場」の原作に沿ったところがあり、「人生劇場」に登場する人物も登場しているのだが、これはやはり別物語というところである。こういう作品が制作されるというのは、それだけ「人生劇場」が人気作品であるからである。ということで、番外的な作品と言うことでいいですね。かつてはLDでもリリースされていたが、現在では殆ど忘れられた作品になっていますし...

 

↓原作です。

人生劇場 青春篇 上 (新潮文庫 お 1-1)

  • 作者: 尾崎 士郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1947/10
  • メディア: 文庫

人生劇場 青春篇 下  新潮文庫 お 1-2

  • 作者: 尾崎 士郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1957/11
  • メディア: 文庫
人生劇場  青春篇 (角川文庫)

人生劇場 青春篇 (角川文庫)

  • 作者: 尾崎 士郎
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/12/25
  • メディア: 文庫
人生劇場 青春篇 (新潮文庫)

人生劇場 青春篇 (新潮文庫)

  • 作者: 尾崎 士郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/03
  • メディア: 文庫

日本文学全集〈第25〉尾崎士郎 (1969年)人生劇場(青春篇)

  • 作者: 武者小路 実篤
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1969
  • メディア: -

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