ART OF NOISE『WHO'S AFRAID OF THE ART OF NOISE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1984年に発表された彼らの1st.アルバムである。邦題は「「誰がアート・オブ・ノイズを…」ということで、なかなかユニークな邦題であった。デビュー当時の彼らは、メンバーの名前が明かされていなかったという神秘性と、当時としては再先端のシンセサイザーを導入したサウンドが特徴であって、実験的な試みが行われていて、正にテクニシャンという存在でもあった。本アルバムはそうことで色々と話題になったアルバムである。チャート成績は、本国イギリスでは最高位27位、アメリカではBillboardで最高位85位を記録している。
収録曲はオリジナル盤では全9曲であるが、1994年に再発された日本盤のみ、1曲のボーナス・トラックが追加収録されている。収録曲は以下の通りである。『A Time To Fear(Who's Afraid)』『Beat Box(Diversion One)』『Snapshot』『Close(To The Edit)』『Who's Afraid(Of The Art Of Noise)』『Moments In Love』『Momento』『How To Kill』『Realisation』(以下、再発日本盤のみのボーナス・トラック)『Close Up』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングル(彼らの2枚目のシングル曲である。)の『Close(To The Edit)』は本国イギリスでは8位、アイルランドでは11位を記録するヒットになったが、アメリカではBillboardで最高位102位に留まっている。(但し、Billboardのダンス・チャートでは4位を記録している。)また、2nd.シングルの『Moments In Love』はイギリスで51位を記録している。
お薦め曲は、シングル曲である『Close(To The Edit)』と『Moments In Love』、そして『Realisation』と『A Time To Fear(Who's Afraid)』、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Who's Afraid(Of The Art Of Noise)』をピックアップしておく。
現在では当たり前となっているシンセサイザーを使ったサウンド、またサンプリングであるが、当時としては再先端の高価な機械を使ったものであって、音楽と言うよりも技術を誇示したような所が感じられたものであった。が、シニカルなグループ名とそのサウンドの先見性は現在でも色褪せる者ではなく、新たなジャンルを構築した記念碑的なアルバムである。
現在では当時よりも簡単にサンプリングも可能であるが、その分、単に機会によって作られたものというものが氾濫しているが、彼らのサンプリングには、機械を使っているが職人の魂が感じられるものであって、決して色褪せていない。ここにはそういうサウンドが詰まっているだけに、'80'sサウンドであるが、現在、21世紀の音楽と言っても十分通用するものがある。
ということで、'80'sサウンドがお好きな方は当然として、現在のダンス系サウンドを聴くという方もしっかりと聴いておきたいアルバムである。で、最近の安易なサンプリングではない職人技のサンプリングを堪能しましょう!
(Who's Afraid Of?) The Art Of Noise!
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Umvd Labels
- 発売日: 1998/10/20
- メディア: CD
Who's Afraid of the Art of Noise
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Salvo
- 発売日: 2011/09/19
- メディア: CD
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