SSブログ

「大幹部」(その3) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第55弾として記している「大幹部」シリーズは全2作しかないので、今回で終了と言うことになります。で、残っている1970年の第2作について記します。尚、この作品の劇場公開は1970年9月であって、前作から1年1ヶ月後であった。尚、シリーズと言うことになっているが、前作の続きの物語という訳ではない。

シリーズ第2作大幹部・ケリをつけろ」(1970年)
作品データを記しておくと、1970年の日活作品で、時間は83分、監督は小沢啓一、脚本は大工原正泰と中西隆三の2人、撮影は横山実、美術は木村威夫、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、渡哲也、大原麗子、范文雀、今井健二、地井武男、睦五郎、青木義朗、内田良平、植村謙二郎、浜田晃、天坊準、長浜鉄平、高樹蓉子、たちである。

大羽根組の幹部・朝倉竜次は、やくざ稼業から足を洗うための交換条件として高畑組組長暗殺を命令された。しかし、彼は暗殺に失敗し、刑務所に入り、2年の刑期を終えて出所してきた。しかし、2年という歳月は長く、状況は完全に変わっていた。飛ぶ鳥をも落とす勢いだった大矢根組は、新興やくざの北洋会にシマを荒されていて、見る影もなかった。また、朝倉の恋人・葉子も弟分の及川と駆け落ちして行方知れずになっており、葉子に組から百万円渡すという朝倉と大矢根との約束も反故にされていた。何一つ納得できない朝倉を宥める牧村は、ユカという女を無理矢理朝倉と同棲させる。また、牧村は、北洋会に対抗する力がないと悟り、全国的な組織力を持つ中部連合の手を借りて北洋会を潰そうと考え、中部連合に共託金として500万円を納めることになる。一方、葉子のことを忘れられない朝倉は、葉子を捜し、ついに再会する。葉子は今のかたぎの生活に満足していた。また、葉子の言葉から、大矢根と牧村が自分を裏切っていること、更に中部連合に金が渡っている事を知ると、組のバッチを投げ捨て、中部連合に乗り込んだ。しかし、相手にされず、自分の子分と刑務所仲間を集めて、金を強奪する計画を実行した。成功したと思いきや、中部連合は直ちに巻き返しを図り、朝倉の仲間たちは次々と捕まっていく。ユカを葉子に託した朝倉は遂に一人で中部連合に殴りこみを掛け、全てのカタを付けようとするが、中部連合の大きな組織力に対抗できるはずもなく、消されてしまった...

東映のやくざ映画だったら、主人公はクライマックスで超人的な活躍をして、敵を倒し、(主人公は)めでたしめでたし、ということになるのがパターンであるが、そうはならない所が面白い。やくざ映画とは縁遠い日活であるが、やってくれますね。ただ、「バッドエンド」という結末は見終わった後に虚しさを感じさせるだけに、内容としては面白いのだが、後味が悪いというところがね...

任侠映画ややくざ映画は東映の十八番であって、日活は余り得意としないジャンルの作品であるが、東映のパターンとは違う展開を見せるところで存在価値はある。(ただ、それでも非主流の作品ということにしかならない。)

ちょっと変わった作品ということで、これはこれで良いのだが、現在では眼に出来るチャンスが少なくなっているのも事実であって、残念なところである。(かつてはLDでもリリースされていました。)

 

↓ビデオしかありませんが...

大幹部 ケリをつけろ [VHS]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: VHS


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。