RC SUCCESSION『シングル・マン』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1976年4月に発表された彼らの3rd.アルバムである。前作から3年5ヶ月ぶりとなったアルバムであるが、これには色々と曰がある。そもそもは1975年の前半にはリリースできる状態として完成し、彼らも納得できる内容のものとなったが、事務所のトラブルに巻き込まれてリリースできず、'76年暮れになってようやくリリースできることになったのである。が、完成から1年半が経過していることもあって、メンバーにとっても過去の作品という位置づけになってしまったこと、セールスも苦戦したことで、不遇のアルバムとなってしまった。が、一部で高い評価をされたのも事実であって、早々と廃版になってしまったことも合って再発運動が起こったという逸話もあるアルバムである。(それだけ内容を評価されたということである。→内容が救いようが中ったら、再発運動自体が起こらないですし...)で、'80年になって再発された。(その時にオリコンで79位を記録した。)
収録曲は以下の全11曲である。『ファンからの贈りもの』『大好きな春子ちゃん』『やさしさ』『ぼくはぼくの為に』『レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり)』『夜の散歩をしないかね』『ヒッピーに捧ぐ』『うわの空』『冷たくした訳は』『甲州街道はもう秋なのさ』『スローバラード』。
この中からシングル・カットされたのは、『スローバラード』と『やさしさ』がアルバム版とは別バージョンで、カップリングされてシングル・カットされている。
お薦め曲はシングル曲でもある『スローバラード』とカップリング曲の『やさしさ』、そして『ファンからの贈りもの』と『ぼくはぼくの為に』、数少ない林小和生のリードボーカル曲である『大好きな春子ちゃん』をピックアップしておく。
本アルバムからは、フォーク・バンドではなくロック・バンドということになって、エレキ・サウンドに移行しているので、後のRCサウンドにも近い所にあるものとなっている。そのため、'80's以降の彼らのサウンドに親しんでいれば、全く点の抵抗感も無く入り込んでいくことが出来るアルバムである。
内容的にも非情に高く、完成度も高いアルバムであって、傑作である。'80年に再発されたときに、レコード会社が本アルバムを廃盤にしたことを恥じ入って反省している、というモンゴ菜穂レコードの帯に記していたことは、現在でも語りぐさになっている。
ロック・バンドとしてのRCのみを聴きたいという方は本アルバム以降を聴けば良く、彼らのアルバムを聴く上では、絶対に外せないアルバムである。じっくりと聴き入りましょう!
コメント 0