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「THE AMERICAN WAY」 [映画(洋画)]

表題の作品は1986年のイギリス映画「アメリカン・ウェイ」である。日本での劇場公開は1988年2月であった。尚、本作はイギリス映画であって英語タイトルが付いているのに、アメリカでは「RIDERS OF THE STORM」のタイトルで公開されている。キャスティングを見ると、アメリカン・ニューシネマの作品ではないかと思えるような顔ぶれが集っているが、本作はイギリス産のコメディ作品である。(物語の舞台はアメリカですが...)

作品データを記しておくと、時間は104分、監督はモーリス・フィリップス、脚本はスコット・ロバーツ、撮影はジョン・メトカーフ、音楽はブライアン・ベネットである。そして出演は、デニス・ホッパー、マイケル・J・ポラード、ユージン・リピンスキ、ジェームズ・オーブリー、ナイジェル・ペグラム、アル・マシューズ、ウィリアム・アームストロング、デレク・ホクスビー、ウィリアム・ロバーツ、マイケル・ホー、マーク・キャヴェン、たちである。

ベトナム帰還兵で後遺症を持った8人で構成されている海賊放送局・アンクル・スラム。彼らはオンボロのB-29爆撃機の中にスタジオを作り、全米ネットワークのTV番組の電波ジャックをして全米各地を飛び回っていた。そんなかれらが次のターゲットに決めたのは、タカ派で知られる次期大統領候補のウィラ・ウェスチングハウス女史だった。キャプテンは、女史の演説を聴き、彼女はアメリカにとっては危険分子となると感じたからだった。で、女史が大統領に当選することを阻止するためのネガティブ・キャンペーンを開始した。メンバーたちは女史のプライベートな弱みを掴もうとして、電波ジャックを続けていく。が、女史も黙ってネガティブ・キャンペーンを受けるのではなく、あの手この手で反撃に出て、アンクル・スラムは空軍の追撃を受けることになる。その追撃を何とか躱し、アンクル・スラムは女史が出席するカントリーソングの大会に狙いを絞り、準備を整えた。大会の当日、女史の工作を奇跡的に躱した一同は、番組ジャックに成功した。で、女史の小隊、実は女装した男、ということを全米に暴いたのだった。

海賊放送をネタにした作品は色々とあるが、本作はコメディ仕立てで、しかもブラック度も高い作品である。それだけに、本作はアメリカ大統領選挙の仕組みであるとか、ベトナム戦争の後遺症という社会問題という部分を知っているのと知らないのとでは、本作の面白さを十分理解できないでしょう。また、D・ホッパーをハジメとする海賊放送局のメンバーが'60'sの雰囲気を持っている顔ぶれであるところも、彼らの過去の出演作品を知っていると、その奥にあるものまで楽しめる。ということで、予備知識がないと十分楽しめない作品である。

日本では、そういう所についていけず、不評という声が多いが、ブラック・コメディ作品の場合は物語の背景を予備知識として頭に入れておくのは常識であるので、勉強不足、ブラック・コメディを見るための努力をしていないだけとしかいいようが無い。

ドタバタ・コメディであれば、何も考えずに笑っていれば良いが、ブラック・コメディを楽しむには、それなりの勉強をしてから楽しむべきである。(「ブラック・コメディ」はただのコメディではなく、堪能するには努力が必要である。)で、予備知識を得てから見ると、色々と楽しめる作品である。

ブラック・コメディがどういうものであるかを理解している人だけが楽しめば良い作品である。(それを理解すると、実に奥深いところのある作品としてたっぷりと楽しめます。)

 

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