BILLY OCEAN『INNER FEELINGS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼の4枚目のアルバムである。彼は1984年の5th.アルバムで突如ブレイクするのだが、それまでは本当に苦労したミュージシャンである。シングルの方は、欧州を中心に'70's後半にいくつかのヒット曲があるが、アメリカでは苦戦し、アルバムの方はさっぱり売れないでいた。特に'80'sの声を聴くと、全くダメで、本アルバムは欧米の何処でもチャートインしていない。そんな彼が、次作で人が変わったようなビッグ・ヒットを生むのだから、面白い所でもある。
収録曲は、オリジナル盤では全9曲であったが、現在では6曲のボーナス・トラックが追加されて、全15曲の収録となっている。収録曲は以下の通りである。『Calypso Funkin'』『Rock-A-Bye-Baby』『No Matter What』『Dance With Me』『I Can't Stop』『Tryin' To Get Through To You』『Mind Games』『Was It You』『Inner Feelings』。(以下、ボーナス・トラック)『Smile』『Smoebody』『City Limit (12" Version)』『Calypso Funkin' (Single Version)』『Was It You (Single Version)』『Inner Feelings (Single Version)』。
この中からシングル・カットされたのは『Calypso Funkin』であるが、シングルとしてリリースしたの?というぐらいの散々たる結果で、チャートには全く相手にされなかったという散々たる結果であった。
お薦め曲はシングル曲の『Calypso Funkin'』と、アルバム・タイトル・ナンバーの『Inner Feelings』、そして『Rock-A-Bye-Baby』をピックアップしておく。
全く売れないで低迷するような内容のアルバムではなく、テンポも良く、ポップで聴きやすい曲もあり、また、カリブの雰囲気と大人の鑑賞に堪えるだけのR&Bをベースにした曲もあって、色々と着せてくれるアルバムに仕上がっている。これが全く売れないというのは「どうして?」と思ってしまうだけの水準に達している。一部の曲は、ブレイクする次作の元に位置づけられる様なキャッチーな曲もあって、'80's前半という時代を感じさせるものであるものの、'80'sサウンドらしいサウンドである。
彼の全盛期は、次作から3枚のアルバム('84~'88年)の間である。本アルバムはそのブレイク前の完全に忘れ去られた時期の作品であるが、内容としては悪いものではないだけに、実際に聴いて、再評価して貰いたいと思うアルバムの一つである。
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