「THE BOOST」 [映画(洋画)]
表題の作品は1988年のアメリカ映画「THE BOOST/引き裂かれた愛」である。日本での劇場公開は1990年11月であった。また、本作は後にビデオ化されたときに「ジェームズ・ウッズのコカイン」という邦題に改題されている。コカインに染まっていくエリート・サラリーマンの物語である。また、本作は、コカイン撲滅キャンペーンという趣もある社会派ドラマである。
作品データを記しておくと、時間は94分、原作はベンジャミン・スタイン、監督はハロルド・ベッカー、脚本はダリル・ポニックサン、撮影はハワード・アサートン、音楽はスタンリー・マイヤーズである。そして出演は、ジェームズ・ウッズ、ショーン・ヤング、ジョン・カペロス、スティーヴン・ヒル、ケリー・カー、ジョン・ロスマン、アマンダ・ブレイク、グレイス・ザブリスキー、たちである。
土地開発事業で成功したレニーは、ロサンゼルスで何一つ不自由のないリッチな生活を謳歌していた。しかし、政府が突然、土地の取引に関する税制優遇措置の取りやめを決めた。これによって、好調だった事業の歯車が狂い、契約解消が相次ぐことになってしまい、彼はパニックに陥ってしまう。そんな中、彼は友人に誘われて、軽い景気づけのつもりでコカインに手を出してしまう。そして、彼の人生は一気に崩れていき、破滅への道を進んでいくことになる。そして、妻のリンダとの愛さえも引き裂いてしまい、彼は闇しか残されていないことになってしまって...
本作が製作された時期というと、バブルに突入していった時期であって、何もかもが右肩上がりという時代でもあった。そういう時代を考えると、タイムリーな時期に製作された作品ということになる。また、日本での公開が、バブルのピークから弾けた頃になっただけに、かなかシニカルなことになったものである。が、どんな時代であっても、薬物は人生を破滅させるだけということは変わりなく、社会への啓発は重要であるのはいうまでもない。
製作時期や公開時期がちょっとシニカルな時期になってしまったが、社会派ドラマというのは何処かでそういうことになってしまうというのも面白い所でもある。
尚、本作は社会に対する啓発という作品であるが、主演のJ・ウッズはインディペンデント・スピリット賞で主演男優賞にノミネートされることになり、俳優としては高く評価されている。(受賞はなりませんでしたが...)
↓ビデオですが...
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