CANDY DULFER『SAXUALITY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1990年に発表された彼女のデビュー・アルバムである。'80's前半から音楽活動を始めていて、'80's中盤に自身のバンドを率いて注目されるようになり、MADONNAやPRINCEのオランダ公演でのバックミュージシャンとして参加したことから、知る人ぞ知る存在になっていた彼女であるだけに、待望のデビュー・アルバムということになった作品である。チャート成績の方も好調で、コンテンポラリージャズアルバムチャートでは最高位4位を記録しており、Billboardのアルバム・チャートでも最高位22位を記録し、1991年の年間アルバム・チャートでは95位にランクインしている。また、イギリスでは最高位27位を記録していて、このジャンルのアルバムとしては大ヒットになった。
収録曲は以下の全12曲である。『Lily Was Here』『Pee Wee』『Saxuality』『So What』『Jazzid』『Heavenly City』『Donja』『There Goes The Neighbourhood』『Mr. Lee』『Get The Funk』『Home Is Not A House』『Lily Was Here (DNA Remix)』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。アルバム発表の前年である1989年にリリースされた『Lily Was Here』は同年の同名タイトルのオランダ映画の主題歌であって、EURYTHMICSのDAVE STEWARTとのコンビの曲であり、オランダでは6週連続1位を獲得し、ノルウェーで2位、イギリスで6位、豪州、アイルランド、スウェーデン、スイスで10位、フランスで13位、(西)ドイツで17位、オーストリアで19位を記録する大ヒットになっている。続いて、『Heavenly City』、そしてアルバム・タイトル・ナンバーの『Saxuality』がシングル・カットされている。
お薦め曲は、D. STEWARTの力が大きいとはいうものの、彼女の名前を一躍広めることになった大ヒット曲の『Lily Was Here』と、シングル曲の『Heavenly City』、アルバム・タイトル・ナンバーの『Saxuality』、更に『Pee Wee』『Get The Funk』という所をピックアップしておく。
デビュー・アルバムであるが、キャリアの方は既にかなりの年月を重ねており、世界のトップクラスのアーティストのバックメンバーとしての経験もあるため、デビュー・アルバムとは思えない内容があって完成度の高いアルバムとなっている。これだけの内容のアルバムであれば、グラミー賞を受賞するのも当然といった所である。
また、ジャズ的な音楽だけでなく、その美貌と言うところも注目された彼女であるが、正に「天は二物を与えた」と言っても良いですね。ジャジーでありながらもファンキーな所があったり、キャッチーな所があるなど、とても聴きやすいサウンドのアルバムである。サックスが身近に感じられる様になるアルバムでもあるだけに、楽器を知るためにも聴いておきたいアルバムの一つである。
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