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「博奕打ち」(その4) [映画(邦画)]

今回は、シリーズの中でも屈指の傑作として知られている1968年1月公開のシリーズ第4作についてです。美島幸夫が本作を賞賛したこともあって、本作は任侠映画の傑作の一つとして知られていて、本シリーズの中では最高傑作と言われている作品である。

シリーズ第4作博奕打ち 総長賭博」(1968年)
作品データを記しておくと、1968年の東映京都の作品であって、時間は95分、監督は山下耕作、脚本は笠原和夫、撮影は山岸長樹、美術は富田次郎、衣裳は豊中健、音楽は津島利章である。そして出演は、鶴田浩二、藤純子、桜町弘子、名和宏、曽根晴美、佐々木孝丸、三上真一郎、沼田曜一、香川良介、中村錦司、服部三千代、小田部通麿、原健策、小島慶四郎、国一太郎、鈴木金哉、河村満和、野口泉、岡田千代、堀正夫、関根永二郎、大木勝、蓑和田良太、那須伸太朗、平沢彰、高並功、北川俊夫、香川秀人、若山富三郎、金子信雄、曽我廼家明蝶、疋田圀男、西田良、有島淳平、藤川弘、熊谷武、河村満和、木谷邦臣、たちである。

時は昭和9年。東京・江東地区に縄張りを持つ天竜一家の総長・荒川が脳溢血で倒れ、跡目を決定しなければならなくなった。幹部会は中井組の組長・中井信次郎を推挙するが、彼はそれを辞退して、兄弟分の松田を推した。しかし松田は服役中であったこともあって、荒川の舎弟分の仙波組長が、荒川の娘婿の石戸を指名し、周囲の反対を押し切って、石戸が二代目を継ぐことを決めた。そして、二代目披露の大花会が行なわれる一ヵ月前に松田が出所した。ことの成り行きを知った松田は、兄貴分の自分を差し置いての石戸の二代目決定に怒り、中川の妹で松田の女房・弘江、更に子分の音吉たちの制止もきかず、石戸に殴り込みを掛けた。その責任を取らされて、松田は謹慎させられる。仙波は松田を失脚させ、石戸を抱き込んで荒川一家を乗っ取ることを考えていたのだった。中川は、花会を取仕切るという責任と、松田の気持ちが分かる板挟み、更に女房のつや子が、松田と音吉が再度石戸組に殴り込むのを阻止できなかった責任から、松田と兄弟分の緑を切った。松田はそういう中川の気持ちを知りながらも、石戸の二代目披露を叩き潰すのが最後の意地だと言った。そして、花会の日がやってきた。石戸は中川から、仙波が荒川一家を政界のボス・河島の握る国志会に組込もうとしているのを知らされ、反対した。そのため、跡目を継いだ石戸は仙波組代貸の野口に殺されてしまう。中川は仙波を追及したが、今度は松田と組んで二代目を殺したという濡れ衣を着せられてしまう。で、身の証と荒川一家の存続のために松田を斬り、その刀を抱えて仙波に迫り、倒した。

任侠映画の王道を行くような設定と、登場人物の多さと厚みによって、スケールのある作品になっている。人物描写もしっかりと出来ており、物語に厚みも感じられる。こういう所は「傑作」と言われている作品らしいところでもある。

が、「傑作」と言われる作品だからこそ、娯楽色がないとか、サービス部分が無いなどと、小さな所に対してそれが致命的な欠陥のように大袈裟に否定されることもあるのも事実である。が、本作の圧倒的な描き方の前では、そういう言葉は「傑作に対するひがみ」にしか聞こえなくなる。それだけの迫力が本作にはある。ということで、「見ておくべし」という作品であるので、任侠映画に触れるのであれば、見ておきましょう。(本作を見ていなければ、任侠映画は語れないですよ。)

 

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