「DAYS OF WINE AND ROSES」 [映画(洋画)]
表題の作品は1962年のアメリカ映画「酒とバラの日々」である。日本での劇場公開は1963年5月であった。H・マンシーニの主題歌が余りにも有名であり、J・レモンとL・レミックの熱演(共に受賞はならなかったのの、アカデミー主演男優/女優賞にノミネートされた。)で死競れている社会派ドラマである。
作品データを記しておくと、時間は118分、白黒作品である。監督はブレイク・エドワーズ、脚本はJ・P・ミラー、撮影はフィル・ラスロップ、音楽はヘンリー・マンシーニである。そして出演は、ジャック・レモン、リー・レミック、ジャック・クラグマン、ジャック・アルバートソン、チャールズ・ビックフォード、マキシン・スチュアート、ケン・リンチ、アラン・ヘウィト、トム・プラマー、デビー・メゴワン、マキシー・スチュワート、たちである。
サンフランシスコの宣伝会社に務めるジョー・クレイは、お得意先のパーティーで、大会社に秘書として働くカーステン・アーセンをちょっとしたことから怒らせてしまい、そのお詫びとして彼女を食事に誘い、仲直りをして親しくなる。そしてやがて2人は結婚した。幸福な月日が流れ、娘・デビーも生まれ、順風満帆な生活に見えた2人であったが、ジョーは社用を口実に、なにかある小戸に酒を飲み続け、カーステンも彼に付き合って少しづつ飲むようになった。やがて、ジョーは酒の上の失敗で減俸され、出張がちになる。また、カーステンは酔い潰れてアパートを火事にしてしまい、そのことでジョーはクビになる。ジョーは以後は次々と職を変えていき、カーステンも飲んだくれになっていた。娘のことを思って禁酒をしようとするも、いつも失敗していて、二人は完全にアル中になっていた。そんな中、一家はカーステンの父・エリスが経営する植物園で働くことになった。最初は良かったが、こっそり持ち込んだ酒によって2人とも酔い潰れてしまい、遂にジョーは強制的に入院させられた。ジョーは、このままでは破滅だと悟り、アル中患者更生の相互補助団体の集会に出席することにしたが、カーステンはアル中ということを認めず、家出してしまった。そのカーステンが簡易旅館にいることを見つけたジョーは、誘惑に負けて、またも酒の虜になる。で、相互補助団体の補導員は、カーステンをエリスに預け、ジョーが更生するまで会えないという決定をした。それから1年が流れた。ジョーは立ち直り、真面目に働いて小綺麗なアパートにデビーと住んでいた。そんなジョーの所にカーステンが現れ、節酒を誓う。しかし、彼女はやはり自分をアル中とは認めず、ジョーの言葉に絶望して去ってしまった。目覚めたデビーが「ママはいつ戻るの」と尋ねると、ジョーは「病気が治ったら帰ってくるよ」と答え、デビーを抱きしめて「勇気と知恵を与えてください」と相互補助団体で得た言葉を口にして、カーステンが立ち直ることを祈ったのだった。
扱っているテーマは重いものであって、何かと考えさせられる作品である。が、B・エドワーズ監督、J・レモン、更にH・マンシーニの音楽というと、コメディ・タッチの有名な作品があるだけに、本作のシリアスさが多少は和らぐように感じられる。(だからといって、笑って楽しむような作品にはなりませんが...)
また、演技派の2人の熱演が凄く、それだけでも一見の価値のある作品であり、娘のことを考えてということもあるだけに、例え酒は飲まないというような方であっても、一度は見ておくべき作品である。
それにしても、H・マンシーニの音楽は有名すぎるため、本作に対して「えっ、こんなにもシリアスな作品なの?」と思う方も居るかも知れませんね...(有名な音楽が主題歌ということで、本作を見ようと思った方は、そうなる可能性が高いでしょうね...)
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