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「THE DESERT FOX」 [映画(洋画)]

表題の作品は1951年のアメリカ映画「砂漠の鬼将軍」である。日本での劇場公開は1952年7月であった。「砂漠の狐」と呼ばれたドイツのロンメル元帥の悲劇を描いた人間ドラマである。タイトルからすると、戦争映画で派手なシーンが見られるように思えるが、そうではなくて、ロンメル元帥について、人間ドラマとして描いている作品である。

作品データを記しておくと、時間は87分、白黒作品である。原作はデスモンド・ヤング、監督はヘンリー・ハサウェイ、製作し脚本はナナリー・ジョンソン、撮影はノーバート・ブロダイン、音楽はダニエル・アンフィシアトロフである。そして出演は、ジェームズ・メイソン、セドリック・ハードウィック、ジェシカ・タンディ、ルーサー・アドラー、エヴェレット・スローン、レオ・G・キャロル、ジョージ・マクレディ、リチャード・ブーン、ダン・オハーリヒー、エドワード・フランツ、デズモンド・ヤング、ウィリアム・レイノルズ、チャールズ・エヴァンス、ウォルター・キングスフォード、ジョン・ホイト、ドン・デ・レオ、ロバート・クート、リチャード・エルモア、ジョン・ヴォスパー、シーン・マックローリー、たちである。

第二次大戦の初期、ドイツ軍のアフリカ方面司令官で、「砂漠の狐」と呼ばれるロンメル元帥の知略の前に、連合軍は苦杯をなめされ続けていた。元帥の暗殺を実行しようとしても、失敗続きであった。が、1942年になって少しずつ状況が変わってきた。そして、エル・アラメイン方面の聯合軍攻撃に堪えかねて、遂に後退することを決意した。がベルリンのヒトラーとその側近は、「勝利か死か」を叫び、例えアフリカ戦線を見殺しにしても、部隊が退却することを決して許さなかった。そんな中、持病もあってベルリンに一時帰国したロンメル元帥は、「ヒトラー退位せずばドイツ危し」と諭した旧友・ストゥットガルト市長ノカール・ストローリンの話を耳にした。1943年の暮れ、ロンメル元帥は北大西洋方面の防備線を視察し、その弱点を総司令官のルントシュテット元帥に進言するが、ヒトラーは現地の意見を取り入れる予知の無いことを知り、ストローリンの主張が正しいと悟り、それからの彼はヒトラー暗殺計画に加担していくことになった。1944年になると、ノルマンディ上陸作戦によってドイツ軍は次第に追いつめられていくことになるが、それでもヒトラーは、ロンメルの意見に耳を貸さなかった。で、ロンメルはヒトラー暗殺の決意を固めた。が、前線へ赴く途中に連合国軍機に狙撃されて重症を負った。ロンメル抜きで陰謀派はヒトラー暗殺を実行したが、ヒトラーは奇跡的に難を逃れ。ロンメルはブラックリストに名前が加わることになった。そして、自宅で静養していたロンメルは、反逆罪で逮捕された。しかも、公開の軍法会議を望めば家族の生命も保証し難いという条件が突きつけられ、彼は元帥の制服のまま、総統が差しまわした車中で毒を仰いで自決してのだった...

ロンメル元帥という人物を描いた作品であるが、幼少期から描いている訳ではないので「伝記映画」とは言えない。(青年期から描いていたら、完全にロンメル元帥の伝記映画になっていましたね。)が、彼は「砂漠の狐」と呼ばれ、恐れられただけでなく、軍師としての評価も高く、英国のチャーチル首相からも賞賛されたという人でもあり、彼の力を完全に引き出すことが出来ていたら、歴史は変わっていたと言われる人物でもある。ある意味では彼もまた、ナチスの犠牲者だったと言う一面もあると言うことである。

で、ロンメル元帥の人物について描かれた本作を見ておくと、ロンメル元帥を扱った他のいくつかの戦争映画に対しても、作品背景がより分かることになる。で、本作を見た後に第二次大戦のアフリカ戦線を扱った作品を見てみることをお薦めする。(「砂漠の鼠」「ロンメル軍団を叩け」、また、ロンメル元帥は登場しないが「トブルク戦線」なども同様である。)

 

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