NSP『NSP FIRST』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1973年9月に発表された彼らのデビュー・アルバムである。(ジングルは同年6月リリースである。)が、スタジオ・アルバムではなくてライヴ・アルバムである。(デビュー・アルバムがフルサイズのスタジオ・アルバムではないということは、最近では珍しくなくなっているが、ライヴ盤というのは珍しい...)元々はロック・バンドの「New Sadistic Pink」として活動していた彼らが、フォーク調の曲でデビューすることになり、フォークのイメージにバンド名が合わないということから、その頭文字を取って「NSP」というバンド名にしてレコード・デビューをすることになったという経緯は有名な話である。
収録曲は以下の全12曲である。『N.S.P.Cry』『あせ』『いい』『おひるねの季節』『ボーカルなんていらないよ』『ちょうちょ』『新青春』『がんばれやせがえる』『便所虫』『ぼくの夏休み』『昨日からの逃げ道』『さようなら』。
本アルバムのリリース時にシングルとしてリリースされていたのは、デビュー・シングルの『さようなら』であり、本アルバムの翌月に『あせ』がシングルとしてリリースされている。しかし、本アルバムはライヴ盤であるため、この中からのシングル曲は、正しくは「ない」ということになる。(バージョン違いということにすれば、前述の2曲と言うことになる。)
お薦め曲は、ポプコン入賞曲でもある『あせ』、デビュー曲の『さようなら』、更に『ボーカルなんていらないよ』『新青春』『ぼくの夏休み』という所をピックアップしておく。
ライヴ盤であるため、楽曲だけでなく、メンバー3人のトークなども聴くことが出来るということで、楽しくなるアルバムでもある。また、生演奏であることから、彼らの力量も良く伝わってきて、瑞々しい感性も感じられるところである。この点では、ライヴ盤というのは良いのだが、やはりデビュー・アルバムである以上は、じっくりと作り込んだスタジオ・テイクで聞きたいというのも正直なところである。(後にスタジオ収録された曲があるので、それはそれで良かったと言うことになる。)
とは言っても、本アルバムのリリースから40年近くの歳月が流れている現在では、そのデビュー間もない時期の(貴重な)生演奏を楽しめると言うことで、これはこれで良かったと感じるようになったところでもある。
'70'sのフォーク・ムーブメントはこの後も続き、特にポプコン出身者の活躍が更に拍車が掛かることになるだけに、ポプコン出身者でもある彼らの初期ライヴという貴重なサウンドに浸るのも宜しいかと...
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