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DES FEMMES DISPARAISSENT(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1959年のフランス映画「殺(や)られる」である。日本での劇場公開は1959年7月であった。音楽がモダン・ジャズの世界で有名なA・ブレイキーが担当していて、名演奏を聴くことが出来るフィルム・ロワールの傑作の一つである。

作品データを記しておくと、時間は88分、白黒作品である。原作と脚本はG・モリス・デュムラン、監督はエドゥアール・モリナロ、撮影はロベール・ジュイヤール、音楽はアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズである。そして出演は、ロベール・オッセン、フィリップ・クレイ、マガリ・ノエル、エステラ・ブラン、ジャヌ・マルカン、ジャック・ダクミーヌ、ロベイト・ロンバート、たちである。

フランス・マルセイユ。ピエールが残業を終えて帰宅したのは、婚約者・ベアトリスが何処かに出掛けていった後だった。その日は縫い子仲間のコラリーヌの結婚祝いパーティで、縫い子仲間たちが裁縫屋に集まっていた。ピエールはその裁縫屋の前でベアトリスの出てくるのを待っていると、数人の男たちが彼を襲い、喧嘩になり、ピエールはのされてしまう。男たちは、実は人身売買組織であって、若い女たちを集め、処女を奪い、海外へ売り飛ばす組織で、キャリオがそのボスだった。配下の殺し屋・トムは、ボスに逆らった殺し屋・ナゾールの死体の下にピエールの財布を敷くという細工をした。ピエールはパーティが行われる別荘の車庫に閉じ込められる。パーティは始まり、組織の面々は貿易商や宝石商になりすまして娘たちを誘う。そんな中、コラリーヌはピエールに気づき、逃がしてやろうとするが、見つかってしまい、リンチを受ける。その間に縄を切って脱出したピエールは組織に立ち向かって行く。組織はピエールを追い、コラリーヌは何が起こっているのかを知り、娘たちを車に乗せて逃げ、裁縫屋に向かうが、そこの女将も組織の一員だった。ナゾールの死体が発見されたことで、警察が非常線を張り、ピエールは車で突っ込み、警察は別荘を包囲し、銃撃戦となる。コラリーヌは組織の仲間に撃たれて死んでしまうが、娘たちは助け出される。そして組織は壊滅し、ベアトリスはピエールに寄り添って、無事に家へ帰った。

こういう作品は白黒の光と影の間で描かれた方が、より雰囲気が出ることになるが、その光と影の陰影を巧みに使った映像美が素晴らしい。そして、A・ブレイキーのジャズの調べが絶妙であって、緊張感のある世界を見事に表現している。

そのサントラ盤は、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのアルバムとしても知られている(彼ら以外ではなく、追加の曲もあるので、厳密には彼らのオリジナル・アルバムではない。)が、ジャズ・アルバムとしても内容のあるアルバムとなっている。

サントラ盤の収録曲は、オリジナル盤では全18曲であったが、CD化された時にボーナス・トラックとして5曲が追加されて、全23曲の収録となっている。収録曲は以下の通りである。『Generique』『Pierre Et Beatrice』『Nasol』『Tom』『Poursuite Dans La Ruelle』『Ne Chuchote Pas』『Mambo Dans La Voiture』『Merlin』『Juste Pour Eux Seuls』『Blues pour Doudou』『Blues pour Marcel』『Blues Pour Vava』『Pasquier』『Quaglio』『La divorcee De Leo Fall』『Suspense, Tom Et Nasol』『Des Femmes Disparaissent』『Final Pour Pierre Et Beatrice』。(以下、ボーナス・トラック)『Les Tricheurs』『Clo's Blues』『Phil's Tune』『Mic's Jump』『Crazy Hamp』。

サントラ盤としては言うまでもないが、映画を完全に切り離しても、本アルバムはしっかりとした内容のアルバムとして、映画の世界観を音で表現することに成功しているアルバムであり、一つの物語として成立している。

ということなので、映画は映画で、本サントラ盤はサントラ盤として、またA・ブレイキーのアルバムとして堪能し、更にその両方を味わうということが出来る傑作である。(映画とサントラの「1+1」が「3」になるサントラ盤である。)

 

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