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「LE DIABLE AU CORPS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1947年のフランス映画「肉体の悪魔」である。英語タイトルは「DEVIL IN THE FLESH」であって、日本での劇場公開は1952年11月であった。何度か映画化されているR・ラディゲの有名な処女作の最初の映画化作品である。(この後、1985年、1986年に、違った国で映画化されているが、そちらの作品は原作に忠実ではなく、翻案した作品である。また、邦題は全て同じであるが、原題は全て異なっている。)戦後間もないフランスを代表する悲恋映画として知られている作品となった。(但し、この邦題が酷すぎるということで、日本ではそちらの方でも有名になっている作品として知られている。)

作品データを記しておくと、時間は110分、白黒作品である。原作はレイモン・ラディゲ、監督はクロード・オータン・ララ、脚本はピエール・ボストとジャン・オーランシュの2人、撮影はミシェル・ケルベ、美術はマックス・ドゥーイ、音楽はルネ・クロエレックである。そして出演は、ジェラール・フィリップ、ミシュリーヌ・プレール、ジャン・ヴァラス、ジャン・ドビュクール、ドニーズ・グレイ、ガブリエル・フォンタン、シルヴィー、ジャック・タチ、ピエール・パロー、たちである。

第一次大戦末期、パリ郊外のリセに通学するフラソソワは、学校に開設された臨時病院の見習看護婦・マルトと知り合いになり、彼女に惹かれる。しかし、彼女は出征したラコンブ軍曹の婚約者であったのだが、フランソワの強気な情熱に惹かれた。が、マルトの母が介入して、この恋は中断させられ、フランソワが田舎に行っている時に、マルトはラコンブと結婚した。それから半年が流れ、再びフラン沢とマルトは再会し、再び恋の炎が燃え上がった。そして2人は密会を重ねるようになった。フランソワはマルトの夫に全てを話そうとするが、マルトはそれを拒んだが、2人の心には、戦争の終結と共にこの恋は終わらせなければならないと思っていた。しかし2人の関係は更に深くなって、マルトは身籠もり、それを隠せなくなった時、マルトは夫に全てを任せる気になり、フランソワもそれに従うことにした。2人は別れを想い出のレストランで過ごし、最初に密会したカフェに向かったが、そこで終戦を知ることになり、マルトは力尽きて倒れてしまう。マルトの母が駆けつけて、2人は引き離されてしまう。そして凱旋してきたマルトの夫・ラコンブに看取られ、フランソワとの愛の結晶の子供を残してマルトは息を引き取った。

悲恋の物語としてはこれ以上のものはないというほどの出来であって、白黒映像の光トカゲが2人の悲恋をものかなしげに映し出している。それだけに、邦題が本作の主題と乖離してしまっていることが嘆かわしく感じられてしまうことになる。(そもそも、この邦題では、違ったものを期待する輩がやってきて、その期待したものがここにないと言うことで荒れることにも繋がっている...)

まあ、邦題のことは忘れることにして、悲恋の物語をじっくりと鑑賞しましょう。

 

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