「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その274) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「犯人疑惑」です。(言うまでも無く、主人公に対する疑惑です。でないと、このテーマは収束しないことになりますから...)取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは何本かの作品がある中から、今回は「零・2nd.12話」を、「007」からは「ダイ・アナザー・デイ」です。
「ケータイ刑事」:「零・2nd.12話」。「銭形零の殺人!? ~警視庁密室殺人事件」という物語。シリーズでは何本かあるが、銭形の冤罪事件である。相棒の五代さんとの絆の強さを感じられる物語でもあるが、「零・2nd.」の終盤の物語であるだけに、コンビとしても成熟してきただけに、とても良い物語になっている。
警視総監のおじいちゃまから、極秘捜査指令を受けた零ちゃんは、一人でそれを調べていた。で、特別応接室で、警視庁総務課長の黒木智博に話を聞いていた。黒木は「根も葉もない噂ですよ」と否定していたが、零ちゃんは黒木が深く関与していることが分かっていると告げ、全てを話すように説いた。
一方、五代さんは、零ちゃんの極秘捜査のことが気になっていて、零ちゃんがいる特別応接室の前をウロウロしていた。そんな時、五代さんの同期で監察官の鳥白弁蔵(とりしら・べんぞう)と顔を合わせていた。そんな所に、特別応接室から零ちゃんが出てきた。鳥白は零ちゃんの解決した事件の報告書が出ていないことを注意した。で、零ちゃんに何をしていたのかということを尋ね、特別応接室の中を見せるように言うが、零ちゃんは「極秘捜査中なので、中を見せる訳にはいきません」と拒否した。これに「隠し事は厳禁だ」と言って、鳥白は中に入った。すると直ぐに「銭形警視、あなた一体何をしたんです?」と鳥白が尋ねた。これに零ちゃんは驚いて、特別応接室に入ると、黒木が床に倒れていた。調べると死んでいた。すかさず鳥白が「現状保存」と言い、零ちゃんたちを特別応接室から外に出し、零ちゃんを殺人容疑者として緊急逮捕した。五代さんは待ったを掛けたが、鳥白は受け付けなかった。
取調室に連れて行かれた零ちゃんは、鳥白によって取り調べを受けることになった。が、極秘捜査と言うことで、その内容は語ろうとしなかった。
「銭形警視が犯人じゃないの...」と言うことを口にする刑事たちがいる中、五代さんと柴田太郎さんは零ちゃんのことを信じていた。「銭形はそんなことをする奴じゃないんだよ!」と熱く言う五代さんだったが、鳥白は「現場の状況が全てを物語っているじゃないか」と言い、零ちゃんを犯人と決めつけていた。で、「柴田、絶対に真犯人を挙げるぞ」と強い決心をした五代さんは、独自に捜査を開始した。
しかし、特別応接室は封鎖されていて、五代さんと柴田さんは捜査から外すように命令が出ていたこともあって、五代さんは引き下がるしかなかった。で、携帯のテレビ電話で零ちゃんと連絡をとり、零ちゃんのサポートを受けながら、独自に動き、それを零ちゃんに報告し、捜査を進めていく。そして、壁にある時計が狂っていたことから零ちゃんは事件を解くヒントを得た。
そんな所に鳥白が戻って来たことから、零ちゃんは電話を切った。凶器となったナイフから零ちゃんの指紋が出たと伝え、黒木に不正経理を指摘されてカッとなって殺した、とされてしまう。これに零ちゃんは冷静に「私は犯人ではありません」と返した。そして、黒木の死体発見時、黒木の上に乗っていたぬいぐるみのポーピーくんが無いことを皮切りに、鳥白の行動のおかしな所を語り、それを問い詰めた。立場が悪くなったことで、鳥白は「お腹が急に痛い。ちょっと失礼」と言って、その場から退散してしまった。
鳥白がいなくなると、零ちゃんは直ぐに五代さんに連絡して、極秘捜査のことを話し、裏付け捜査を依頼した。で、零ちゃんの考えた通り、鳥白の身の回りから証拠となるものが出てきた。
再び戻って来た鳥白が、零ちゃんの取り調べを続けようとしたが、零ちゃんは口上から鳥白を拘束し、事件のあらましを説明した。麻薬の横流しをしている刑事がいるので、その調査を命じられた零ちゃんは、それが黒木と鳥白であり、鳥白は、黒木を殺して捜査を攪乱しようとしたのだった。
証拠まで突きつけられてた零ちゃんの冤罪事件は、五代さんの強力もあって、零ちゃんが無事に解決した。
「007」:「ダイ・アナザー・デイ」。2002年のシリーズ第20作、5代目ボンドの第4作で、最後の作品である。1962年のシリーズ第1作の「ドクター・ノオ」から丁度40年となることから、「シリーズ40周年記念」として記念すべき作品となった。(今年2012年はシリーズ50周年ということで、新作(第23作)「スカイフォール」が公開予定となっている。(イギリスでは10月、アメリカが11月、日本は12月の予定です。))
北朝鮮のムーン大佐は内戦で疲弊したアフリカ諸国からダイヤを密輸し、それで武器を買い込んでいた。ムーン大佐の悪事を集結させるため、ボンドは北朝鮮に派遣された。で、取引が行われる場に忍び込んだボンドだったが、途中でボンドと見破られてしまった。
で、大暴れをしてムーン大佐を追いかけ、激しいホバークラフト・チェイスを経て、ムーン大佐を滝壺に落としたボンドだったが、北朝鮮の兵士たちに拘束されてしまった。
ボンドは拘束されて、激しい拷問を受けることになった。そして、その期間は14ヶ月にも及んだ。西側諸国の秘密を語るように拷問されるボンドだったが、毒を使っても、暑さ寒さを利用した拷問でも、ボンドは一切口を割らなかった。
14ヶ月が流れたある日、ボンドは突然釈放されることになった。それは、ムーン大佐の手下で、テロ活動を行っていたザオがイギリス当局に拘束され、ボンドとザオとの人質交換が行われることになったためだった。
イギリスに戻されたボンドは病院に送られたと同時に、拷問を受けて内情を話したとされていた。当然「00」のライセンスは取り消されていた。しかし、ボンドは口を割っていないことを語る。しかしMはそれを受け付けなかった。
ボンドは病院を抜け出し、独自に調査を開始した。北朝鮮で自分を裏切った人物がいる。それを突き止めようとしたのだった。これにMは激怒したが、まもなく、ボンドとMは和解した。それは、ダイヤの密輸で莫大な豊を得ていたグスタフを調査するという思惑が一致したためだった。
グスタフに接近したボンドは、その恋人であり、秘書でもあるミランダ・フロストと接触することになる。ミランダは、オリンピックのフェンシングの金メダリストだったが、それはムーンが対戦相手にステロイド剤を過剰投与したことで失格にさせて、不戦勝で得た金メダルだった。その後彼女はMI-6の暗号解析部門に採用されていた。そしてそこで、恋人にMI-6の情報を流していて、北朝鮮でボンドを売ったのも彼女だった。
最終的に、ボンドはジンクス(=ボンドガール)の強力な協力もあって、グスタフがムーン大佐と同一人物であり、多いな野望を実行しようとしていたのを潰したのだった。(ミランダはジンクスとの一騎打ちに敗れて死亡した。)
共通点は、主人公(銭形/ボンド)の冤罪であり、それを仕組んだのは主人公と同じ組織に所属する人物(「ケータイ刑事」では鳥白、「007」ではミランダ)であったということ、更に違法な取引(「ケータイ刑事」では麻薬の横流し、「007」ではダイヤの密輸)を隠すために仕組んだものであったということ、それを解決するのに相棒となる人物(「ケータイ刑事」では五代さん、「007」ではジンクス)の力を借りていると言うことである。
相違点は、「ケータイ刑事」では組織(=警察)が押収したものを横流しという不正行為であったが、「007」では不正な取引(密輸)を外部の組織との間での密輸ということであったということ、そして「ケータイ刑事」ではそれを仕組んだ人物は逮捕されたものの生存しているが、「007」では死亡しているということである。
次回は21クール目の最後ということになるが、今回と同様に「ある物(できごと)」をテーマにして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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